2020年度第2回部活弁当選手権 優秀作品発表(2)
最優秀賞山崎文恵さん(東京都)50歳女性、高2男子ラグビー(180cm、96kg)
①おにぎり、野菜スープ、カットフルーツ。花園予選の試合のための補食。食べるタイミングは家を出てから試合前までと、試合後。作った時間は30分(冷ます時間含む)。
試合前のおにぎりはクエン酸が取れる梅で、一口で食べられる小分けサイズ。カリウムが取れるバナナも入れています。試合後はタンパク質がとれ、見た目にもテンションが上がる具だくさんのおかずおにぎり。そぼろ、焼きシャケ、炒り卵は作り置きをさっと混ぜています。また、野菜スープで体を温め、フルーツでビタミンを補給できるようにしています。
②母親の私が作りました。作り方でこだわった点は、そぼろにショウガ汁をたっぷり、みそを少しアクセントにしたところ。炒り卵は砂糖を使わず甘酒を使用し、コクを出しました。塩麹の野菜スープは冷蔵庫にある野菜根菜類中心にタマネギをたっぷり。小さめのサイの目に切って食べやすくしました。
③とにかく夢だった花園を目指して、息子は厳しい練習や試合では力を出し切ってきます。次の日の準備は補食から始まっていると思い、バランス重視、体重、体調管理をする! と私も頑張っています。なんとか一口でも食べて風邪をひかず、ケガをしにくく、脳にもたくさんの栄養を届けて集中力あるプレーにつなげて欲しいと願いながら、作っています。
④時間がないなどで食べることができず、カチカチのおにぎりを持ち帰って来た経験から、その日のスケジュールや天気をなるべく把握して作っています。おにぎり1つの時もありますし、暑さで危なそうならアスリートタンパク入りパンを持たせることも。暑さにも対応しやすいオススメのバランスドリンクなどがあったら教えてください。
松田幸子さんからのコメント
ジュニア選手が試合前の食事で困るのが「何をどのくらい食べるか」ということです。このレシピの試合前後の補食は、おにぎりのサイズで分かりやすくしており、このアイデアは他の皆さんにも覚えて欲しいものですね。味付けも見た目も華やかで、疲れた試合後も進んで食べられる補食だと思います。これからの季節は、体のウオーミングアップをする汁物をつけるのもよいですね。試合後は、冬でもたくさん汗をかき、体重が減少します。水分補給が少ないと食欲が落ちますので、補食を食べる前に1杯のスポーツドリンクを飲んでから食べ始めるものよいでしょう。夏場は保冷バックの利用以外に市販のゼリー系飲料も、万一の補食として考えておきましょう。
>> 参考レシピ:スイカジュース
>> 参考コラム:【おさらい&まとめ】熱中症対策やスムーズな疲労回復に、真夏に飲みたいドリンク5選
優秀賞中川千賀さん(山口県)48歳女性、中3男子サッカー(169cm、63kg)
①夕方の練習や休日の試合の行き帰りに車内で食べる補食「サツマイモのマッシュ2種と寒天ゼリー」です。サツマイモは炊飯中をのぞき10分程度。寒天ゼリーも10分程度でできますが、一年中作りおきしています。
②秋においしいサツマイモは、炊飯器でお水を200cc入れて炊きます。練習前ver.(写真左)は消化のために皮は取り、バターも入れず、野菜ジュースで練っています。子どもが好きなレーズンとつぶあんの2種類をよく作ります。練習後ver.(写真右)のサツマイモは皮も一緒にバター少々、牛乳で練ってマッシュに。モッツァレラチーズとサケフレークの2種類で甘じょっぱくしているので、疲れた後に食べやすいと好評です。ともに、1個50gに食べやすくまとめます。この日は家にあったキウイとシャインマスカットを使い、練習前用は野菜ジュースで、練習後用は牛乳で作っています。
③練習前はしっかり糖質をエネルギーに変えるようビタミンを、練習後は疲れを取ってウイルスに負けないよう、糖質とタンパク質、カルシウム、ビタミンを詰め込みました。
松田幸子さんからのコメント
サツマイモのマッシュを練習前と練習後で味付けや具材を変えるアイデアは抜群で、興味をひきました。サツマイモや寒天は食物繊維が多いので、運動前の補食としては使いづらい部分もありますが、お子さんの嗜好と体調をよく知っているからこそ選んだ食材でしょう。もし、おなかの調子が気になるときは、サツマイモをジャガイモに変えたり、フルーツのヨーグルトあえにしても、タンパク質が補給できるのでおすすめです。成長とともにお子さんの胃腸も変化しますが、練習の量や質も変わりますから、日々コミュニケーションをとり、食事作りにプラスにしてください。
>> 参考レシピ:ドライフルーツ入りヨーグルト
>> 参考レシピ:豆腐の白玉団子
選手の心に残るで賞かなねーさん(秋田県)46歳女性、高2女子ソフトテニス部の部員たち
①具だくさんみそ汁。食事の大切さに改めて気づいた大事な思いを部活動に生かそうと思い、行き着いたのが「みそ汁」でした。普段の部活動の終わりに、みそ汁を提供しています。
②学校や公共施設での練習のため、手作り100%ではありませんが、生みそとマイカップをマイバスケットに詰め込んで、顧問の私が持ち運び、自ら選手への差し入れをしています。良質なタンパク質と、失われた塩分やミネラルを効率良く摂取できて、疲れた心と体をほぐすため、乾燥野菜やワカメ、お麩、高野豆腐、大豆、春雨、くずきり、ネギ、海苔など、その日の気分で5種類以上が入るように考えています。
③これまで県大会で勝ち上がったことのなかったチームでしたが、めきめきと力をつけて厳しめの練習にも耐え、県大会で初勝利を挙げることができました。彼女たちの頑張りを見届けたカップは、そのまま卒業記念品として、プレゼントする予定です。
松田幸子さんからのコメント
指導者からの応募は今年度初めてで、最初に感じたのが選手たちへの愛情でした。初勝利は、その思いが届いたのでしょう。指導者と選手の信頼関係は、この1杯から生まれたのだと思います。練習場所という限られた環境で、素早く水分・塩分を補給できるよう考えられていて、素晴らしいです。
さらに補食力をアップさせるとすると、マグカップ1杯分を「食べる」ように具だくさんにできるとよいでしょう。例えば高野豆腐・大豆水煮、お麩でタンパク質を、春雨・くずきり・白玉・餅で糖質を摂取すれば、さらに勝ち進める補食となります。卒業と同時にマグカップをプレゼントされるとのことなので、ぜひ応募したレシピやコメントも一緒にお届け下さい。きっとお互いに、いつまでも忘れられない思い出になるでしょう。
>> 参考コラム:乾物を使ったみそ汁
ダブルでチャージできるで賞横田玲子さん(京都府)49歳女性、高2男子硬式野球(164cm、60kg)
①豆チーズおにぎり2個とツナマヨのクロワッサンサンド。このほか、ビタミン補給のために野菜ジュースとおやつにマロンあんパイをつけています。作った時間は5分。お弁当と一緒に私(母)が作りました。食べるのは、基本的には朝練の後、練習の合間、1日の練習の後。
②クロワッサンは日持ちのするパンを常備。あんこや卵などを入れてお楽しみバリエーションをつけています。おにぎりは飽きないように焼きサケ、焼きたらこ、昆布、梅などをぐるぐる回しています。ミネラル補給に海苔を巻きたいのですが、しっとりしてしまうと「おいしくない、食べにくい」と言うので巻いていません。海苔を別に巻いておけるラッピングシートも買ったのですが、出してすぐ食べられない(引っ張って切ったりはがしたりしないといけない)、かじりかけで置いておけない、などのことから現在のラップ巻きにたどり着きました。
③近くの公立高校に通っていますが、朝6時に家を出て、夜9時前に帰宅する毎日。エネルギー不足にならないように補食は欠かせません。体は小さいものの、ずいぶんがっちりしてきました。ケガなく野球が楽しめるように、私ができるのは食事を用意することくらい。毎朝、「元気に頑張っておいで」と思いを込めておにぎりを握っています。
④昼休みも自主練があり、授業の合間なども使ってパッと食べられるものがいい、というのでお弁当には具だくさん炒飯やちらし寿司をガッツリ作っています。補食も食べやすく、腹持ちもいいのでおにぎりです。野菜ジュースは持たせていますが、補食でビタミンやミネラルを補う工夫があれば教えていただきたいです。
松田幸子さんからのコメント
「元気に頑張っておいで」という思いを込めたおにぎりを頬張るお子さんの顔が目に浮かびます。クロワッサンというと脂質が高く、アスリートは控えることが多いですが、エネルギー不足が心配なお子さんには「使えるパン」になります。お楽しみバリエーションも出来るのは飽きませんね。ミネラルの補給は、この季節は野菜スープがオススメです。また、おにぎりにすりゴマや、ケガをしない体づくりのために大切なタンパク質の補給ができるみそを加えても良いですね。サラダチキンや魚肉ソーセージを小さく切ってサンドイッチの具として挟むなど、お好みに合わせて取り入れてみてください。
>> 参考レシピ:野菜たっぷり!おかずパンケーキ
>> 参考レシピ:レンジで時短、2種類の蒸しパン
頑張りに拍手で賞海辺のハリーさん(茨城県)42歳女性、中3男子サッカー(182cm、71kg)
①試合には必ず毎回、同じお弁当を2つ用意します。お昼用と補食用(主に解散直後に食べる)です。当初は補食としておにぎりや市販のパンをもたせていましたが、全く足りないとのこと。本人が「同じお弁当で良いから2つ欲しい」と言ったのがきっかけです。練習や試合後すぐにバランス良く栄養を補給するようになり、グンと身長も伸びました。
④息子はグラノーラが大好き。補食にグラノーラを使った簡単なものがあれば、教えてください。
松田幸子さんからのコメント
応募作品を見たとき、自分で決めたテーマを再確認してしまいました。同じお弁当を補食でも食べられるのは、成長期の選手でも多くいません。食べられるのは、強くなる体を作る素質がありますね。身長が伸びたというのもうなずけます。子どもの体作りにつながる意識を持ち続ける、お母様の努力がうかがえます。頑張りに自然と拍手が出てしまいました。お弁当2個なので、保管場所など衛生面に気を付ける一言をお子さんに添えるとよいでしょう。ここに、乳製品を取り入れると瞬発力アップにつながります。準備の簡単な個包装のチーズを活用してみて下さい。グラノーラを使った補食は、ヨーグルトあえにしたり、手作りの蒸しパンに加えてみたり、手作りのプロテインバーなどがおすすめです。
>> 参考レシピ:焼きバナナホットヨーグルト