サッカーワールドカップ(W杯)に出場する32カ国の代表選手は、生まれ育った土地の食べ物で強い体を作り、技を磨いてきました。彼らを作り、育てた食べ物、料理はどんなものなのか。約70カ国を訪れ、「ワールドカップを食べ尽くせイベント」で32カ国の料理を一挙提供した各国・郷土料理研究家の青木ゆり子さん(e-food.jp代表)が各組から1チームを厳選し、代表的なおふくろの味を紹介します。

A組=ロシア
(ロシア、サウジアラビア、エジプト、ウルグアイ)

 ひと言で言えば、ロシアは「底知れぬ国」です。一般的にロシア料理は「ピロシキ」「ボルシチ」を想像するでしょうが、いまだ国土面積世界1位の大国。民族も多様で、気候もさまざまですから、思っている以上にバリエーション豊富で、紹介されていない食材や食べ方があるはずです。

グレチネヴァイ・カーシャ(キノコ入りカーシャ)
グレチネヴァイ・カーシャ(キノコ入りカーシャ)

 寒い地域の料理としては、栄養価の高い食材を使った高カロリーの料理が多いのが特徴。そばの実などの「カーシャ」(お粥)は日本のご飯とみそ汁のようなもので、ビタミンやミネラルがたっぷりとれます。アジア系民族が住む中央アジアの近くの地域から広まった「シャシリク」というケバブや、「プロフ」という肉の炊き込みご飯もあり、多種多様です。

 今回のワールドカップは開催国ですから、かなり力が入っているはず。これを機にロシア料理を試したら、その魅力にはまるかもしれません。

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