サッカーW杯ロシア大会で日本代表の1次リーグ初戦となるコロンビアとの試合は誰と見ますか? 何も決まってなければ、東京・築地のうめぇもんを頰張りながら応援できるパブリックビューイング(PV)なんてどうでしょう。実は、英国からサッカーが伝来して今年で145年、何を隠そう“はじめのひと蹴り”は築地なんです。【寺沢卓】

晴海通りからの「築地魚河岸」全景。右側の階段を上がっていけばPV会場の「魚がし食堂」にたどりつける

魚がし食堂で実施 築地魚河岸

 東京・中央区の歴史に詳しい学芸員も「築地がサッカーの伝来の地なんですか? 知らなかった」と驚いた。唯一、記録として残っているのは、日本サッカー協会のホームページに書かれているだけ。海軍兵学寮を訪れた英国海軍の少佐が余興としてボール蹴りを教えたことが最初だとしている。

 この海軍施設は、あの勝海舟の提唱で江戸時代につくられた施設が、そのまま明治時代にも継承されたもので、現在は首都高速銀座ICのすぐ横に寮の石碑だけが残っている。日本代表のW杯初戦となる19日・コロンビア戦の勝利を願って祈りをささげるのもいいかもしれない。

首都高銀座ICのすぐ横に日本にサッカーが初上陸したとされる「海軍兵学寮」の碑がひっそりと残っていた

 さて、必勝祈願をしたら、どこで観戦しようか? まだ決まっていないのなら、そのまま築地に残ってもらいたい。築地場外エリアにある中央区の市場機能「築地魚河岸」3階の「魚がし食堂」でPVを実施する。もちろん「日本一の食の街」を自負するだけにおいしい食べ物も用意している。

3階の「魚がし食堂」の入り口はすでに臨戦態勢だ

黄色を飲み干そう センリ軒

 19日は午後5時から夜営業をスタートし、喫茶「センリ軒」、鶏肉料理専門「鳥藤(とりとう)」、洋食「小田保(おだやす)」の3店舗がPVメニューを繰り出してくる。

 「センリ軒」は、普段出しているコーヒーがコロンビアとブラジルの豆をブレンド。「サッカーなら最強の豆に違いない。そのコーヒーを使ったお酒を考えてます。それと、ビールの色がコロンビア国旗の黄色ですもんね。対戦相手を飲み干して、勝ちにいきましょう」。勢いがいい。応援で熱くなりすぎた場合を想定して、コーヒー味ソフトクリーム「ミルコーソフト」も販売予定だ。

センリ軒ではビールをカラーリングして提供する予定。さて、どんな色が出てくるやら

よだれ鶏盛りつけ 鳥藤

 「鳥藤」は、コロンビア国民がチキンが大好きということで、よだれが出そうなほど欲しい1勝を奪い取るため人気メニュー「よだれ鶏」をPVパターンのメニューで考案中。「応援しながらだから、他のお店のものも食べながらパーティー気分でつまめる盛りつけを練ってます」と気合を入れる。

鳥藤は、コロンビアでも人気の鶏肉料理。料理長の持っているのは人気メニュー「よだれどり」。よだれが出るほど欲しい1勝…ということで

魂込めカツサンド 小田保

 「小田保」は定番の「カツサンド」と「チャーシュー」で盛り上げていく。「個数限定にしますが、魂込めておいしいカツを揚げます。任せてください」と力強い。

 通常は午後10時までの営業だが、この日ばかりは試合終了までテレビ3台を設置して万全の応援態勢を取る。魚がし食堂の鈴木孝夫さんは日韓共催の02年W杯ではスタッフとして日本代表と行動をともにしていた。「築地で代表を応援できる企画を打ててよかった。16年前と気持ちは同じです。多くのみなさんの来場をお待ちしております」としみじみと話していた。

小田保は定番だけど「カツサンド」。厚みがあってやわらかジューシーな食感。勝つぞー

▼サッカー伝来の地・築地

 日本サッカー協会HPの「沿革・歴史」の項目を見ると、1873年(明6)に「英国海軍教官団のA・L・ダグラス少佐と海軍将兵が来日。東京築地の海軍兵学寮(のちの海軍兵学校)で日本人の海軍軍人に訓練の余暇としてサッカーを教えた」と書かれている。

 補足として「これが、日本でサッカーが紹介された最初というのが定説」としており、日本におけるサッカー伝来の地は築地ということになる。同協会広報部では「文献はこれだけで、当時のことを伝える写真などは残っていません」。ちなみに10年前の1863年(文久3)、英国で世界初となる国単位の組織「イングランドサッカー協会」(世界初なのでThe FA=ザ・フットボール・アソシエーションと呼ばれる)が創設された。

(2018年6月17日付日刊スポーツ紙面掲載)

H組A組B組C組D組E組F組G組