2021年も残りわずかとなり、私の指導する中学女子バレーボールクラブの栄養セミナーでも「おせち料理」をとり上げました。

スポーツをする子どもとおせち。直接結びつかないと感じる方がいるかもしれませんが、子どもたちは様々な経験を糧に育っていくものですから、季節感や日本の食文化が一番感じられるおせち料理は、食の学習の中でもかなり良い題材といえます。

お正月にしか目にしない、例えば「クワイ」や「八つ頭」などの食材も出てきますし、普段使っている食材と少し違う種類の「黒豆」「京ニンジン」や「田作り」も店頭に並びます。おせち料理には食材の形や切り方、それを使って作った料理の盛り付けに様々な「いわれ」(理由や願い、込められた思い)があります。栄養のことだけでなく食材を学ぶことも、食べられるものの幅を広げることにつながるでしょう。

今回は、チャレンジおせち「食べる煮干しとクルミの田作り」を紹介します。

そもそも、「煮干し」とお正月が近づくと売られる「田作り」とは何が違うのでしょうか。通年売られている煮干し(小さめ)は、カタクチイワシの稚魚などの小魚を「煮てから干したもの」で、田作りは「煮ないで素干しにしたもの」です。だから「煮干し」ではありません。

違いは「目」を見れば分かります。煮干しは煮ているのでタンパク質が熱で変性して白くなっていますが、田作りは黒いまま。こういったことも、田作りが店頭に出てくるからできる学習ですね。

食べる煮干し
食べる煮干し

今回のレシピは、「食べる煮干し」などの名称で市販されている煮干しとクルミを使います。個人的には、田作りとクルミを使って作るものよりも、こちらの方が魚のにおいがしないので食べやすいと感じます。ちりめんじゃこやシラスなどのように、魚を丸ごと食べられますし、ほんのり甘くコーティングしてあるので、子どもたちもきっと気に入って食べるでしょう。

くっつかないよう、オーブンシートの上に広げて冷まします
くっつかないよう、オーブンシートの上に広げて冷まします

魚のタンパク質やカルシウムがとれる1品ですので、骨や筋肉を作りたいジュニアアスリートにおすすめ。おせちの時期だけでなく普段から作っておくと、栄養価の高いおやつにもなりますね。

管理栄養士・月野和美砂

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