2020年度第1回部活弁当選手権 優秀作品発表(2)
最優秀賞marimariさん(神奈川県)48歳女性、中2女子陸上短距離・跳躍(152cm、41kg)
①十二穀米、豚ひれ肉の甘辛焼き、煮卵、小松菜シラスあえ(シラス、チーズ使用)、カボチャ、ミニトマト、ブロッコリー、ゴールドキウイ、オレンジ、ナッツとチーズのシナモンがけ(アーモンド、クルミ、ドライアップル、プルーン、チーズ、シナモン、メープル使用)、具だくさんみそ汁(大根、ニンジン、こんにゃく、ネギ、ゴボウ使用)。かかった時間は25分。
一昨年から競技のことを考えて自炊を継続している娘と2人で作りました。野菜に味をつけてしまうのが苦手なので、主菜の味を濃いめにしてご飯も野菜も進むようにしています。お弁当箱を深くし、見た目の量より栄養をしっかり摂れるよう工夫しました。競技者として栄養素にも気をつけながら、たくさん食べて心も体も万全の状態で過ごしていけるように作っています。休校となり、家にいる時間が増えたのをプラスにとらえ、弁当や食事作りの腕を上げられるよう取り組みました。
②身長を伸ばしたいです。牛乳が苦手でもお弁当でしっかりカルシウムが摂れる方法を教えてください。
松田幸子さんからのコメント
親子で二人三脚しながら競技に向かわれているのが伝わってくるお弁当ですね。一緒に料理をすることで、食の共通理解ができ、競技力向上にもつながります。料理の流れを考えるのは、練習内容を自分のものにすることと似ています。牛乳が苦手でしたらヨーグルト、チーズなどの乳製品、またお弁当のおかずにしやすい大豆や大豆製品(厚揚げ、高野豆腐など)、魚(イワシ、シラスなど)にも多く含まれているのでおすすめです。
>> 参考レシピ:パワー爆発!肉巻きちくわ
優秀賞あみぃさん(東京都)44歳女性、中2女子バスケットボール(160cm、49kg)
①味付け卵、プルコギ、海老・ズッキーニ・パプリカ・マッシュルームのバジルソテー、カボチャの煮物、ブロッコリーの卵サラダ、ミニトマト、煮物(サトイモ・ニンジン・ゴボウ)、二十一穀米入りご飯、紅くるり大根の浅漬け、自家製佃煮、愛媛県産カラマンダリン、ネギとおかわかめと油揚げのおみそ汁、牛乳。
休校中のため約3カ月間、学校での部活はありませんが、体力を維持するために朝と晩、ランニングをしたり、部活動のコーチによるオンライントレーニングをしている娘のために作ったお弁当です。ジュニアアスリートなので、毎日6時間勉強もしています。そんな娘に、現状維持を目指し、栄養をしっかり摂れるようなお弁当をと思っています。仕事があるため、毎日5時に起床。かかった時間は1時間。
お弁当1食ではなく、1日3食でバランスのとれた食事になるよう、足りないものを補うように工夫しています。なるべく国産の食材を使うこと、手作りすることで農薬や添加物の摂取を軽減するようにしています。お弁当箱のふたを開けて、娘が笑顔になってくれたらいいなという気持ちでお弁当を作っています。
松田幸子さんからのコメント
お子さんが笑顔を浮かべるのが想像できる、愛情たっぷりで品数豊富な、見ても食べても「元気になるお弁当」ですね。練習量に対して糖質の量が若干少なめなのが気になりました。練習が本格的になると、自粛前よりも一時的に、消費エネルギー量が増える可能性が高くなります。そうなると、疲労が少しずつ蓄積します。お子さんとコミュニケーションをとり、量と1日全体のバランスを考え、これからも食事を作ってあげてくださいね。
残さず食べてくれるで賞yosshyさん(滋賀県)44歳女性、中1男子野球(156cm、58kg)
①照り焼きチキン弁当(粉チーズ入り卵焼き、鶏もも肉、ブロッコリー、カボチャ)、ホウレン草とアサリのかきたま汁 (ホウレン草、卵、むきアサリ)、オレンジ。かかった時間は30分。
練習日の昼食に作りました。野菜が苦手でたくさん入れると残してしまうので、ほどほどに、入れた分は食べ切れる程度にしています。野菜が少なめの分、カボチャ、ブロッコリー、ホウレン草など栄養価の高い緑黄色野菜を使いました。かきたま汁に入れるホウレン草は比較的食べやすいようです。アサリも入れて鉄を摂れるようにしました。お肉好きの息子が好む照り焼きチキン弁当は、鶏もも肉の皮はとり、脂質を抑えて消化や運動の負担にならないようにしています。大好きなオレンジからも、ビタミンを補給できるようにしています。
②だんだん暑くなるので、温かい汁物が食べにくくなることへの対策が悩みです。お弁当が傷まないように、必ず朝に、しっかり火を通して調理し、腐敗防止シートを入れるなど保冷に気を使っています。
松田幸子さんからのコメント
野菜が嫌いなお子さんのために、「食べる」ことを一番に意識して工夫しているのが良いですね。工夫の1つとして、野菜入り卵焼きや肉野菜炒めなど、好きな食品と一緒に食べられるようにするのはいかがですか。夏場の汁物対策は保冷容器を利用し、冷たいスープを持たせてみましょう。ほてった体を中から冷やします。また「冷や汁」もオススメです。見た目よりも野菜がたっぷり、ビタミン・ミネラル・塩分・水分補給ができます。
>> 参考コラム:食事からも水分摂取を意識、熱中症対策のための「バテないさっぱり弁当」
>> 参考コラム:【Q&A】暑い時期のどんぶり弁当、衛生上問題がありますか
アイデアたっぷりで賞妻鹿直美さん(兵庫県) 51歳女性、高2女子フィギュアスケート(162cm、50kg)
①サケ、もち麦、こんにゃく入り玄米ご飯、つくねハンバーグ、小エビとチーズの卵焼き、ブロッコリーとアスパラガスとクリームチーズのマリネ、モヤシの中華風お浸し、サツマイモ、新ショウガの煮物、ミニトマト、大葉、みそ汁(切り餅半分・シメジ・小松菜・うすあげ・タマネギ・ワカメ)、オレンジ、キウイ、ブドウ。かかった時間は30分。
審美系競技なので、体重管理に気をつけています。味付けも薄味にするようにし、主食も糸こんにゃくをフードプロセッサーで細かくしたものを混ぜて糖質を抑えるようにしました。バランス良く色々な種類の食材を入れるようにしています。また、リンク内は寒いので、温かい汁物やショウガの煮物など、体の中から温めてくれる食材を使っています。
②体重管理が大変なので、カロリーを抑え、量を食べても罪悪感のないメニューが知りたいです。
松田幸子さんからのコメント
氷上のスポーツを意識し、体を温める工夫が素晴らしいですね。体重コントロールのため、いろいろな食品から糖質をとる工夫はバッチリです。ただ摂取・消費エネルギー量のバランスがやや崩れているのが気になります。摂取エネルギー量の不足は月経不順や骨折リスクを高めます。例えば、野菜の具だくさん汁物、ハンバーグは鶏ひき肉とおからを半量ずつなど、おかずを調整し、適切なエネルギー量がとれる工夫をプラスしてくださいね。
元気に成長するで賞グリフィスさん(和歌山県)45歳女性、中2女子チアダンス(152㎝、45㎏)
①ニラ入り肉みそうどん+ブロッコリースプラウト、ゆで卵+黒コショウ、蒸しサツマイモ、ミニトマト、アメリカンチェリー、豚汁。かかった時間は20分。
②生理が始まってから太りやすくなり、気にしています。肉みそはできるだけ脂を取り除いて作り、ほかのおかずも油を極力使わないように気を付けていますが、ほかにも気を付けた方がいいことはありますか。
松田幸子さんからのコメント
周りに「元気」を与えるチアダンスは、「選手本人の元気な体」が必要です。体重管理は極端にするとマイナスになります。女性らしい体になる時期ですので、食べて練習に励むことが、周りにパワーを与える素晴らしい女性になる第一歩です。ここでの体重増加を気にし、食事を減らしすぎないようにしましょう。月経前1週間は体重が増えやすく、むくみを感じることも。味付けをいつもより控えめに、野菜を積極的にとりましょう。