今回も魚に関してのコラム第3弾です。EPA(エイコサペンタエン酸)の働きについて紹介をします

参考:
ジュニアアスリートは魚をもっと食べよう!主菜に魚、副菜に肉で複数のたんぱく源
ジュニアアスリートは目的に合わせて、魚の種類や部位を上手に選択

脂質はエネルギー源としての役割だけではなく、様々な組織を構成しています。脂質を構成する脂肪酸は、その構造の違いで種類が異なります。

EPAは脂肪酸の中でも、DHA(ドコサヘキサエン酸)と合わせて青魚(イワシ、サバ、ブリなど)に多く含まれるn-3系不飽和脂肪酸の1つで、体内でほとんど作ることができない「必須脂肪酸」です。細胞1つ1つを構成している細胞膜も脂質でできており、その脂肪酸の種類によって機能性が変わってきます。

特にアスリートの持久力に影響するのは、酸素を運搬する赤血球です。赤血球の細胞膜を構成する脂肪酸にEPAが多いと、赤血球の弾力が大きくなり、様々な形に変化できるので、細い毛細血管を通りながら組織に酸素や栄養素を運搬することがスムーズになります。

そのため、EPAはアスリートの循環器系の能力向上(持久力の向上)に役立つと言われています。最近、多くのアスリートが注目し、国内外でEPAを含む青魚を食生活に取り入れるアスリートが増えているのは、そのためです。   逆に、主菜が肉料理や揚げ物に偏ると、赤血球の細胞膜に飽和脂肪酸が多くなり、弾力が低く体の隅々まで酸素を運びにくくなってしまいます。もちろん、肉には脂肪酸の種類以外にもたんぱく質をはじめとした、ジュニアアスリートの成長や体づくりに必要な栄養素が多く含まれています。肉や魚、どちらかに偏らず、バランスよく色々な食材にチャレンジすると良いですね

今回紹介するレシピは「めんつゆで簡単サバのみそ煮」です。サバにはEPAが豊富に含まれ、このレシピ(1人120g)には約1.5gのn-3系不飽和脂肪酸が含まれています。

調味料はめんつゆとみそを同量使用します。この2つを合わせると、いろいろな料理に応用でき、以前紹介した「サケのちゃんちゃん焼き」や「カラフルピーマンのみそ炒め」でも、この2つの調味料を使用しています。ぜひ活用してみてください。

管理栄養士・金子香織