前回のコラム「ジュニアアスリートは魚をもっと食べよう!主菜に魚、副菜に肉で複数のたんぱく源」で伝えたように、家庭での魚の消費量は年々低下していますが、ジュニアアスリートの食事に魚を取り入れると様々な利点があります。

種類や部位によっても違いますが、魚はアスリートの体づくりで最も重要なたんぱく質に加え、鉄やマグネシウムなど体づくりに必要なミネラルを多く含みます。脂質の多い魚もありますが、DHAやEPAに代表されるn-3系不飽和脂肪酸は多くのメリットがあるため、アスリートも積極的にとることが推奨されています。

部位によってこんなに栄養価が違う

体づくりの目的によって、魚の種類や部位を選ぶことが大切です。例えば、日本国内の消費量がサケに次いで2位のマグロは、その部位によって栄養価が大きく違います。

下のグラフはクロマグロの赤身と脂身(トロ)の栄養価を比較したものです。どちらも100g当たりのたんぱく質が20gを超えますが、トロの脂質量は27.5gもあります。

ただし、n-3系脂肪酸は約6gも含まれています。体脂肪を落としたい場合は、脂質の多い部位を減らしたり、食欲がない時は少量で多くのエネルギーを摂取できるトロを取り入れたりといった工夫ができると良いですね。

クロマグロの栄養価の部位比較(100gあたり)

エネルギー(kcal) タンパク質(g) 脂質(g) n3系脂肪酸(g) 鉄(mg)
赤身 115 26.4 1.4 0.17 1.1
トロ 308 20.1 27.5 5.8 1.6

日本人の食事摂取基準2020年版では、15-17歳の1日におけるn-3系脂肪酸の目安量は男性で2.1g、女性で1.6gです。30g(刺身2切れ分)程度で必要量がとれるので、お寿司やお刺身でマグロな好きな方はうまく赤身とトロを組み合わせましょう。

今回紹介するレシピは「マグロのガーリックステーキプレート」です。マグロの赤身と、リカバリーを意識した緑黄色野菜とシイタケを組み合わせ、彩りのきれいな主菜と副菜のプレートにしました。普段は生で食べることの多いマグロですが、火を通すことで試合期間中でも食べられます。

マグロを焼くフライパンで、レンジ加熱したカボチャとシイタケを焼けば、使う調理器具を増やさず、簡単に準備もできますね。

※参考
厚生労働省:日本人の食事摂取基準2020年版
文部科学省:日本食品標準成分表2020年版(八訂)

管理栄養士・金子香織