試合前の食事
試合の時はいつもと同じような時間に食事をしっかりととることができない場合が多くあります。そのため、まずは試合で使うエネルギーを事前に補給しておくことが大切です。エネルギー源となる三大栄養素の中でも、脂質は消化に時間がかかり、胃腸への負担が大きくなります。試合前に脂質が多い食品をとることは控えるようにし、炭水化物が豊富な食品からエネルギーをしっかりととれるようにしましょう。
試合前に主食、主菜、副菜などが揃った食事をとる場合は、いつもより主食を多めにとるようにし、アップ開始3時間前を目安に食べ終わるようにすると良いでしょう。試合開始までにさらにエネルギーを補給しておきたい場合は、バナナ、おにぎり、カステラなどの消化しやすい補食を、さらに試合開始に近い時間帯に摂る場合はエネルギーゼリーやスポーツドリンクなどより消化しやすい形状のものをとるようにします。
ただ、糖質が多く含まれているものを運動直前にたくさんとりすぎると、腹痛や胃腸の不快感に繋がることもあります。人それぞれベストなものやタイミングが異なるため、自分はどのタイミングで、何をどれくらい食べると試合で良いパフォーマンスが発揮されやすいかを事前に確かめ、大事な試合で実践していくことがとても大切です。
試合後の食事
試合後の食事は試合で使ったエネルギーを回復させること、たくさん使って傷ついた筋肉を修復させること、汗をかいて失った水分を補給することを優先して栄養補給を行います。
ただ、ハードな運動をした後は食欲が低下することも少なくありません。そのような場合は、1品でより多くのエネルギーや栄養素がとれると効率よく栄養補給ができます。また、身体が疲れているときは、胃腸も同じように疲れています。試合前と同じように脂質の量をなるべく抑え、消化に負担がかからないようにすることも重要です。
運動後にとるタンパク質は、筋肉の分解を抑え、且つ合成を促しやすいように、必須アミノ酸がバランスよく含まれている食品を選ぶようにします。肉や魚、卵などの動物性食品はもちろん、脂質が少ない豆類からタンパク質をとることも良いでしょう。
さらに、夏場は発汗が多い分、水分補給も意識的に行いますが、冬場は汗をかいているにも関わらず喉の渇きは夏場ほど感じないため、水分補給はついつい後回しになり、水分不足になっている可能性もあります。飲み物からとる水分に加えて、食品に含まれる水分にも目を向けてみてください。特に野菜や果物は、水分が多く含まれますし、食事に汁物を取り入れることでも水分をとることができます。
今回、試合前後に適したスープジャーレシピ3品を考案しました。上手く活用して、試合当日の栄養補給に役立てて下さい。
シーフード春雨スープ
春雨からは炭水化物、シーフードミックスからはタンパク質をとることができます。試合前、試合後どちらにもおすすめのスープです。おにぎりなどと組み合わせてとることで、炭水化物をプラスすることができます。また、身体が冷えた状態で運動をすると怪我のリスクも高くなるため、運動前に温かいものをとって身体を少しでも温めておくためにも活用できます。冷凍のシーフードミックスやミックスベジタブルはしっかりと加熱して加えることで、スープジャーの温度低下を防ぐことができ、より温かい状態でおいしく食べることができます。
サケと卵のおかゆ
ごはんからは炭水化物、卵やサケフレークからは良質なタンパク質をとることができ、試合前、試合後どちらにもおすすめです。試合後に食欲がないときでもおかゆであれば食べやすく、消化にも良いです。卵はタンパク質の他にも、からだをつくる細胞の材料となる脂質のほか、エネルギーの代謝に必要なビタミンB群なども含まれる非常に栄養価の高い食品です。サケフレークや昆布茶を入れることで使用する調味料を少なくでき、手早く作ることができます。
グリル野菜とミックスビーンズのミネストローネ
試合前後はパンが食べやすいという方もいらっしゃると思います。総菜パンやサンドイッチなどとも相性が良い抗酸化ビタミンたっぷりのスープです。パプリカやトマトには抗酸化成分が豊富で、試合でハードな運動をしてダメージを受けた身体のリカバリーに役立ちます。ツナやミックスビーンズからはタンパク質がとれるため、筋肉の分解を抑えたり、筋肉の炎症を抑えたりするはたらきが期待できます。カットトマトやグリル野菜は電子レンジで加熱し、温かい状態でスープジャーに入れることでより温かさをキープできます。食べる頃にはグリル野菜に味がしみこみ、疲れた身体にもしみわたる疲労回復レシピです。