今年の夏は、今までにない過ごし方をした方も多かったことでしょう。まだまだ残暑は続きます。暑くて料理をするのが大変な日は、電子レンジ調理や市販品をうまく使って、主食・主菜・副菜を盛り込んだ「ワンプレートご飯」を作ってみませんか。簡単なのに、彩りも良く食が進む「夏のイタリアンワンプレート」をイタリア料理の料理家・山内千夏さんに紹介してもらいましょう。

「トマトとシラス、バジルの冷たいパスタ」「ピッツァ風チキン」「タコのカルパッチョ風」「ジャガイモとゆで卵のアンチョビサラダ」をのせた「夏のイタリアンワンプレート」
「トマトとシラス、バジルの冷たいパスタ」「ピッツァ風チキン」「タコのカルパッチョ風」「ジャガイモとゆで卵のアンチョビサラダ」をのせた「夏のイタリアンワンプレート」

肉や魚などに色の濃い野菜で彩りよく

暑い日が続くと、スポーツを頑張る子どもたちだけでなく、料理の作り手も食欲が低下します。暑いキッチンで調理するのも億劫(おっくう)になり、つい麺類や丼ものといった炭水化物中心の単品メニューに偏りがちです。

育ち盛りのお子さんたちには、これに何かをプラスするという気持ちで食事を用意してはいかがでしょうか。ちょっとずつ色々なものがあると、目にも鮮やかで食欲も沸きやすくなります。

調理にたくさん手間をかけることはありません。今回紹介する「夏のイタリアンワンプレート」は、「トマトとシラス、バジルの冷たいパスタ」「ピッツァ風チキン」「タコのカルパッチョ風」「ジャガイモとゆで卵のアンチョビサラダ」です。

パスタをゆでる以外は「混ぜる」「電子レンジで加熱する」など手軽にできるものばかり。肉や魚、卵といったタンパク質の多いものや色の濃い野菜を取り込むと、栄養バランスも整いやすくなります。

ピッツァ風チキン」は疲労回復効果の高い鶏むね肉を、子どもたちが大好きなピザの台に見立てた主菜で、電子レンジで調理。

ジャガイモとゆで卵のアンチョビサラダ」も同じく電子レンジで調理します。ゆで卵はまとめて作っておいても、購入したものを使ってもいいでしょう。

タコのカルパッチョ風」は買ってきた刺身にひと手間加えて、お洒落なカルパッチョ風に仕立てたものです。

4品合計で751kcalのヘルシーメニュー。調理時間もわずか20分で完成します。1つのお皿に盛ると、見た目もとても華やかになる一方で、片付けも少しだけ楽になるはずです。

夏野菜から水分やミネラルを補給

トマトやキュウリといった夏野菜は水分がとても豊富です。カリウムが含まれており、過剰な塩分の排出を促し、利尿作用もあるので、毎日の食卓に意識して出すと良いでしょう。汗をかいた際に水分やミネラルを失うことで、体調不良や夏バテが起こりやすくなりますので、食べ物からの自然な水分とミネラル補給を心がけていきたいところです。

また、トマト水煮缶やトマトジュースなどの加工品は、栄養素がたっぷり詰まった旬の時期に加工しているものです。保存もできて手軽ですので、気軽に使っていきましょう。

山内千夏(やまのうち・ちなつ)  料理家。管理栄養士。大学で食物学を専攻。卒業後、製菓メーカーで商品企画等に携わった後、イタリアへ料理留学。ピエモンテ州のホテル学校にてイタリア料理概論、郷土料理について学ぶ。帰国後は大手料理教室勤務を経て、イタリア家庭料理教室を主宰するほか、雑誌やWEBで日本の家庭でも作りやすいイタリア料理を紹介している。Instagram アカウント@cinatsu。