11月2日~9日まで中国・深■で行われたカーリングのパシフィック・アジア選手権に出場した日本代表チームの食を支援する全国農業協同組合連合会(JA全農)の食事サポートに協力し、同会の広報・調査部の管理栄養士とともに、補食(おむすび)の提供をしてきました。カーリングは試合時間が長く、エネルギーを持続することが大切なポイント。8日間に渡る連戦で1日に2試合以上行われることもあり、補食を活用しながら、試合前のエネルギー補給や試合後のリカバリーを適切に行うことが重要でした。

参考コラム:
男子代表コンサドーレ札幌、パワーの源は遠征前の日本食/カーリング日本代表の勝負めし(1)
女子代表中部電力、ハーフタイムの糖分補給で集中/カーリング日本代表の勝負めし(2)

「食」の提供の第1のポイントは安全なもの、衛生面に注意を払うことです。日本産のお米や具材は選手にとってストレスを感じることなく安心して食べられ、高パフォーマンスにつながったことと思います。消毒液や調理用手袋は日本から持参。現地の水道水が飲用に適さない場合は、水もミネラルウオーターなどを使用するなど、衛生面に最大限の注意を払いました。

補食を提供するタイミングとして、試合開始前なら3時間前に食べ終えるよう、試合後はなるべく早く摂れるよう調理開始時間を設定しました。具も、選手のリクエストにこたえながら、効果的な栄養素が入ったものをピックアップいたしました。

参考コラム:
中国実感!電気街に電子レンジ在庫なし/カーリング日本代表支える舞台裏
試合前後で異なる補食のポイントと調理時の衛生管理/カーリング日本代表を支える舞台裏

選手1人に3個ずつ、1度に30個程度のおむすびを作るという大量調理を円滑にすすめるため、今回取り入れたコツは、米の炊飯時に塩を入れて炊くこと、混ぜられる具材はあらかじめ混ぜてからおむすびを作ることでした。

例えば、米4合に小さじ1~2の塩を入れると、味が均一になり、時短になるという利点がありました。部活の炊き出しや補食の差し入れなどの大量調理にも使えますので、ぜひ応用してみてください。

また、具材として人気だったのは、豚肉、タマネギ、ニンニクなどを使った「肉みそ」。豚肉には炭水化物をエネルギーに変換するビタミンB1、タマネギやニンニクにはビタミンB1の吸収率を上げるアリシンが含まれており、栄養素の組み合わせとして優れ、特に試合前のエネルギー補給としておすすめです。ご家庭でも簡単に作れますのでお試しください。

写真は「肉みそおむすび」です。

今回は豚肉、タマネギ、ニンニクのほか、アレンジしてすりゴマをプラスしました。ゴマにはカルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラルが含まれています。豚肉は赤身のものを使用します。また、お好みで豆板醤などを少量加えても良いでしょう。

管理栄養士・石村智子

※■は土ヘンに川