KAGOSHIMA食×スポーツの田畑です。今年は全国的に雨の日が多く、梅雨明けも長引きました。私がいる鹿児島県も例年より雨の日が多く、気温が高い日は特に蒸し暑くなり、熱中症のリスクも高くなっています。「夏は食欲が落ちる」という声を選手や保護者からよく聞きますが、今年はぜひ、食べる工夫で夏を乗り越えましょう。

栄養バランスを心がける食事を

小・中学生は夏休みに入り、給食がなくなると栄養が不足しやすいということにも表れるように、自宅での食事が肝心です。特に共働きのご家庭は、自宅に準備しておくものも限られるため、バランスが崩れて食事の質が低下してしまいがちです。栄養が偏り、夏バテにつながることがあります。

例えば、作るのが簡単な麺類はそれだけで食べてしまいがちですが、炭水化物に偏り、代謝をするために必要なビタミンB1が不足すると、体にだるさが残り、夏バテを引き起こす、といった具合です。

このようなことは、自分で食事を選んだり準備したりする高校生や、1人暮らしのアスリートにとっては日常的に生じる悩みでもあるでしょう。そのため、バランスよく食べることの重要性について、知識や食事力(選ぶ力、準備・工夫する力等)がとても重要になります。大事なことは、毎食の食事で必要な栄養素をしっかりとること。それは成長においても、日々のコンディショニングにおいてもとても重要なことです。

食欲低下している時のポイント

栄養バランスの偏り以外でも、食欲低下を引き起こすことはあります。水分のとりすぎ、冷たいもののとりすぎ、長期休暇から急に運動量が増えてリカバリーが追いつかない、冷房環境による体温調節機能の低下、生活リズムの変化(自律神経の乱れ)といったことが原因として挙げられます。

食欲が低下しているときの食事では、以下のポイントを押さえましょう。

さらっと食べやすい(のど越しの良い)メニュー
→麺類、スープ・汁料理など
酸味や香味野菜、香辛料を活用(唾液や胃酸の分泌を促がす、香りによる食欲増進効果)
→酢、ポン酢、梅干し、ショウガ、ニンニク、ネギ、キムチ、カレー粉など
ネバネバ食材を活用(胃粘膜の保護、消化酵素の分泌を促す)
→ヤマイモ、オクラ、モロヘイヤ、サトイモなど
1品でいろんな栄養をとれるよう多食材を使用する(バランスよく)
→冷やし中華、鶏飯焼きそばビビンバ
見た目の彩りをよく、カラフルに

これらを参考に食欲が増し、少しの量でもバランスよく多くの栄養素をとれる工夫を心がけましょう。また、上記のポイントや食材を参考に漬物やピクルス、ナムルや佃煮など、多少保存がきく状態で作り置きしておくと、準備の手間が省けたり、子ども自身で工夫ができる環境整備にもつながりますよ。

今回紹介するレシピは、「千切りジャガイモのさっぱりあえ」です。お酢を使用したメニューは殺菌効果も期待できるためお弁当にもおすすめです。ご飯をたくさん食べられないときの副菜として、糖質が取れるメニューにもぜひ作ってみてください。

さあ、今年の夏は「食べて」乗り切りましょう。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・田畑綾美