<アスレシピ認定アンバサダー会議から>

日頃、それぞれのフィールドでスポーツ栄養の知識やアスレシピを広めてくださっている認定アンバサダーの皆さん。毎月開催する定例会議では、意見交換や勉強会などを行っています。4月の会議では「サラダに何かけてる?」というお題を元に意見交換を行いました。【レポート=アスレシピ編集部・真鍋千絵美】

素材にこだわる「手作り派」

私自身は手作り派。と言っても決して意識が高いわけではなく、買ってもいつも最後まで使いきれないため、家にある調味料でその都度作るようになったことがきっかけです。

話を聞くと「手作り派」「市販派」に分かれ、それぞれにこだわりがありました。手作り派の意見は以下です。

市販品は使いきる前に飽きてしまう
市販品は油、砂糖、添加物が気になる
旬の野菜や果物を取り入れたドレッシングで、ビタミンやミネラルを補給している
家にあるもので作ることを楽しんでいる

一口に手作りと言っても、野菜や果物をすりおろすなどして作るものから、オイルに酸味と塩味を加えたシンプルなものまで種類はさまざま。中には食卓に調味料類を出し、食べる人が好きなものをかけるスタイルを取っているご家庭もありました。

シンプルなドレッシングを愛用する皆さんは、亜麻仁油やオリーブ油、MCTなどのオイル類、クミンなどのスパイス類、塩麹や岩塩など、使う調味料へのこだわりが感じられました。

我が家はオリーブ油にサラダ用ハーブソルト+すし酢が定番。中華風にしたい時はゴマ油+めんつゆ、こってりしたい時はゆで卵+マヨネーズ+ピクルスのタルタル風とアレンジしていましたが、この機会に教わった手作りドレッシングを試してみることにしました。

ニンジンのオレンジで食卓が華やかに

まず1つ目は山崎文恵さんに教わった「ニンジンドレッシング」です。以前アスレシピに投稿してくださったレシピの進化版で、記事に紹介されていた「豚しゃぶサラダ」を作ってみました。

<ニンジンドレッシング>
材料(作りやすい分量)
ニンジン…1/2本
タマネギ…1/2個
甘酒…大さじ2
リンゴ酢…大さじ3
薄口しょうゆ…大さじ6
油…大さじ6

作り方
❶ニンジンとタマネギをすりおろす。
❷ボウルに①を入れ、甘酒、リンゴ酢、薄口しょうゆ、油を加えてよく混ぜ合わせる。

ニンジンドレッシングを使った豚しゃぶサラダ

意気揚々と作り始めた私でしたが、野菜をすりおろす段階で心が折れそうに。「普段混ぜるだけしかしない私に、この工程はハードルが高い…」と諦めそうになりながらも、何とかしゃぶしゃぶした豚肉をあえました。一口味見をしてみると…

「なにこれ、うんま!」

あまりのおいしさにビックリ。いつもとはひと味もふた味も違い、味見の箸が止まりませんでした。ニンジンのオレンジ色が鮮やかで、食卓にも映えます。

山崎さんによると「すりおろすのが面倒なら、ブレンダ―などを使うと簡単」とのこと。次からはそうしよう! と固く心に誓ったのでした。

豆乳とみそが好相性、柑橘がさわやか

2つ目は、石井ゆかりさんに教わった「豆乳みそドレッシング」です。こちらは沸かして冷ました豆乳に、みそや柑橘のシロップ、果汁などを混ぜて作ります。みそはどんな種類でも合いますが、麦みそがなじみやすく、甘めなのでおすすめとのことです。

<豆乳みそドレッシング>
材料(作りやすい分量)
調整豆乳(大豆固形分7%以下のもの)…50ml
みそ…大さじ1
柑橘類のシロップやジャムなど…大さじ2
柑橘果汁…大さじ1~2

作り方
❶豆乳を小鍋に入れ、沸騰しないように弱火で加熱する。
❷鍋の周囲がふつふつしてきたらボウルに移し、粗熱が取れたらみそ、シロップやジャム、果汁を混ぜる。

豆乳に火を入れるのは、衛生面を意識してとのこと。とはいえ「洗い物増えるし~、冷めるまで待たないといけないし~」とブツブツ言いながら作り、ペロリと味見してみると…

「えっ、なにこれ、うんま!」

と再び声が出ました。レシピの分量なら豆乳の量も少ないので、冷めるのにもさほど時間はかかりませんでした。

豆乳みそドレッシングはベビーリーフのサラダに

私はオレンジマーマレードを使いましたが、混ぜただけでかなりとろみがつきます。これは、柑橘類の酸性が豆乳に含まれるタンパク質に作用して固まる「酸凝固」という化学反応によるもの。濃厚さのなかに柑橘が香り、今の気候にピッタリのさわやかなサラダに。ベビーリーフのほか、ニンジンのサラダにも合いました。

ニンジンサラダにも柑橘風味がマッチ

市販ドレッシングで「野菜嫌い克服」

一方の市販派の意見は以下です。

生野菜が苦手だった子どもたちがドレッシングのおかげで野菜を食べるようになった
ドレッシングがあれば、親がいない時でも子どもが野菜を食べる
まずは野菜を食べさせることが第一。子どもが好きなドレッシングをそろえている

目立ったのは「子どもの野菜嫌い克服に役立った」という意見。ドレッシングをかけるだけで食べてくれるなら、利用しない手はありませんよね。

いつもはドレッシングを買わない我が家ですが、今回おすすめされた中から2品を試してみました。

株式会社もへじ「サラダの旨たれ」

株式会社もへじ「サラダの旨たれ」

しょうゆベースでゴマ油、練りゴマ、炒りゴマなどが入り、ニンニクの香りがきいています。おすすめしてくれた青木裕美子さんは「サラダ以外の料理にも活用でき、生野菜が苦手だった子どもたちがこのドレッシングでサラダを食べてくれるようになった」とのこと。

サラダの旨たれは野菜にかけるだけでなく、焼肉の味付けにも

私は今回、焼き肉サラダに使ってみました。野菜にかけるだけではなく、肉の味つけにも使用。ドレッシングのおかげで焼き油もいらず、ほどよい味もついて一石二鳥でした。

有限会社やましな「フォロミール」

フォロミール(レギュラー)

一度食べたらハマると評判のドレッシング「フォロミール」。スーパーなどでは「フォロのドレッシング」という名前でも売られています。とろみ強めの濃厚なクリームドレッシングで、サラダのほか冷奴や冷しゃぶにも合うそうです。

フォロミールドレッシングで子どもがサラダをモリモリ

おすすめしてくれた飯塚麻美さんは「余計なものが入っていなくておいしい」とのこと。食品表示を見ると「食用植物油脂、醸造酢、玉葱、砂糖、醤油、食塩、ニンニク、マスタード、胡椒」と、確かに一見して何だかわからないような原材料はありませんでした。何より、市販ドレッシングになじみの薄い息子が「今日のサラダはおいしい」とモリモリ食べていたのが印象的でした。

便利な市販ドレッシングですが、やはり気になるのが「使いきれない問題」。今回試した2つのドレッシングは、それぞれサラダ以外の使い方も提案されていましたが、焼き肉の味付けに「サラダの旨たれ」を使ったように、加熱調理に使うのも手だなと感じました。

一挙紹介、その他のおすすめ

試したもの以外にも、多くのおすすめを教えていただきました。気になるものがあったらぜひお試しください。

エキストラバージンオリーブ油+塩またはハーブソルト+レモン汁
ゴマ油+塩+しょうゆ+ゴマ
ニンジン、キウイ、リンゴ、レモンなどのすりおろし+酢+米油+しょうゆ+甘味(甘酒、はちみつ、アガベシロップ)
すりゴマ+練りゴマ+酢+米油+塩麹+甘味(甘酒、はちみつ、アガベシロップ)
みそ+マヨネーズ+焼肉のたれ
亜麻仁油+クレイジーソルト+素焼きアーモンド
塩麹+黒コショウ+米酢+オリーブ油+ガーリックパウダー+クミンパウダー
岩塩+オリーブ油+米酢またはバルサミコ酢
オリーブ油+塩昆布または昆布茶
シュガーレディ「万能かけぽん」
パイアソン「胡麻ドレッシング」
熊本県球磨郡多良木町の「野菜で野菜を食べるドレッシング」

ドレッシングの世界は実に奥深く、新しい挑戦で我が家のサラダの幅が広がりました。つい「いつもの味」に落ち着いてしまいがちですが、時には新しいものを取り入れてみると、マンネリ解消に役立ちそうです。