前回のコラム「朝食はパン派?ご飯派?パンを主食とする時のポイントとジュニア向け献立」では朝食の「主食」に含まれる炭水化物(糖質)ついてお伝えしました。今回は「たんぱく質」について考えてみましょう。

食事誘発性熱産生が高い

たんぱく質は肉、魚、卵や豆製品に多く含まれています。たんぱく質を主体としたおかずを「主菜」と呼びます。

たんぱく質は、筋肉や内臓の材料となる以外にも様々な生理機能があり、そのうちの1つとして「体温を上げる」ことがあります。食事をした後、体が温かくなったと感じたことがあると思います。これは食事をした後にみられるエネルギー消費量の増加で「食事誘発性熱産生(DIT)」と言います。

DITでどれくらいエネルギーを消費するかは、栄養素によって異なります。炭水化物(糖質)のDITは約6%、脂質は約4%ですが、たんぱく質はとったエネルギーの30%にもなります。この数値の理由は、たんぱく質が炭水化物や脂質に比べて組成が複雑で、消化や吸収に多くのエネルギーを使うためといわれています。

つまり、たんぱく質が豊富な食材を朝食でしっかり食べることは、寒い日の朝の体温を上げ、体温を保つことにつながります。手足が冷えやすい人や、寒い日に朝練習がある時には、特にたんぱく質を意識しましょう。

今回のレシピは、寒い日の朝におすすめの「鶏肉とサツマイモのミルクカレースープ」です。カレーの香辛料やショウガの成分は交感神経を刺激し、血流を良くするので、体を温めることにつながります。これらスパイスは、旬のサツマイモと牛乳の甘みと好相性です。カレールウの種類やスパイスの量で辛味を調節しましょう。

このほか、たんぱく質がしっかりとれる朝食向きメニューを紹介しておきます。短時間で簡単に作れ、素早く食べられるメニューです。

管理栄養士・金子香織