食べ盛りの子どもたちと両親、そして祖父母が一緒に暮らす3世代同居の家庭では、食の好みがさまざまだったり、生活時間が異なったりと、食事作りを担う人にとっては悩みが多いのではないでしょうか。

 世代ごとに別々の料理を用意する家庭もあるようですが、できれば同じメニューを全員でいただきたいもの。そこで、料理研究家で栄養士の今泉久美さんに、家族全員がおいしく食べられるおすすめのレシピを聞きました。3回に分けて紹介します。【アスレシピ編集部】

量は違えど、考え方は共通

 まず、世代ごとに意識したい食事のポイントを挙げてみます。

部活などで運動量が多い「子ども世代」
・「運動で消費する分」と「成長に必要な分」が必要。
・身体作りに大切なタンパク質は複数を組み合わせてとる。

年齢とともに代謝が落ちる「親世代」
・主食のとりすぎに注意。
・タンパク質は脂肪の少ない部位を選ぶなど、種類を考える。

いつまでも元気に過ごしたい「祖父母世代」
・筋肉を維持するため、タンパク質をしっかりとる。
・いろいろな食材を少しずつとる。

 運動量の多い子どもは必要な栄養素量も多くなり、反対に代謝の落ちてくる親世代以上は食べ過ぎに気をつけるなど、食べる量の調整は必要ですが、内容はどの世代でも共通して意識したいことです。「タンパク質は複数から」「いろいろな食材を取り入れる」というポイントを押さえて、食事を考えればよいでしょう。

どの世代にも合うおすすめレシピ

 今回は「複数のタンパク質を使い、いろいろな食材を取り入れる」ことをテーマにした献立を紹介します。どの世代にも合うメニューなので、作り分けの手間を省くことができ、時短にもなりますね。

基本の1人分の分量。活動量が多い人は増やし、少ない人は減らして調整を

 主菜のキノコバーグには、みじん切りにしたキノコをたっぷり使い、片栗粉を加えています。そのため消化が良く、便秘解消も期待できます。ひき肉は脂肪の少ない赤身を選びます。豚ひき肉だけにしてもよいですし、鶏むねのひき肉を混ぜると筋肉の回復効果が高まります。

 家族全員分を一度に焼くときは、フライパンで両面を焼いてからオーブンで仕上げるとよいでしょう。大根おろしの代わりにケチャップを添えてもおいしくいただけます。

付け合わせはベビーリーフのほか、温野菜などもおすすめ

 汁物は多種類の野菜を取り入れやすく、やわらかく煮込めば祖父母世代でも食べやすくなります。

 ゴボウ以外の野菜は角切りにして食べごたえを出し、タンパク質源の厚揚げも加えています。しょうゆ味や、もちを加えたお雑煮風もおすすめ。減塩したい場合は、豆乳を加えると薄味でも気になりません。

 だしの香りは精神を安定させるともいわれ、スポーツを頑張る子どもたちにも積極的に食べて欲しい1品です。だしを取るのが面倒に思われるかもしれませんが、具材を煮ている鍋にざるをかませ、かつお節を煮出せば手軽です。ぜひ試してみてください。

ざるをかませてかつお節を煮出し、そのまま引き上げればOK

 副菜は、主菜や汁物に使っていない食材を使うとよいでしょう。今回は熱に強いビタミンCとカリウムを含むサツマイモを使い、大ぶりに切って食べごたえもアップさせています。レンジ加熱したあとに、ラップをかぶせてしばらくおくと甘みが出てきます。レーズンやナッツなどを少し加えると、味わいや食感がよくなります。

 レシピの1人分の分量を基準に、年齢や活動量に応じて量を調整してください。ただし、メインのおかずの食べ過ぎは塩分の過剰摂取にもつながります。物足りない場合は、タンパク質を加えた副菜を1品プラスするなどがおすすめです。その際のタンパク源は、献立の中で使っていない種類のものを選ぶようにします。

 次回は帰宅時間が違ってもおいしく食べられる主菜と、作り置きできる野菜の副菜を紹介します。

今泉久美

料理研究家、栄養士。
女子栄養大栄養クリニック特別講師。