年齢も生活時間も違う3世代同居の家庭でも、作り分けしなくて済むレシピが知りたい―。どの世代にも向くおすすめのレシピを、料理研究家で栄養士の今泉久美さんに聞きました。第3回は「主食、副菜にもタンパク質を加え、効率よく栄養素を摂る工夫」を紹介します。【アスレシピ編集部】

消化良いおかゆはどの世代にも

今回紹介するのは主食カブの豆乳がゆ」と副菜ホウレン草と豚しゃぶのゴマあえ」です。

お子さんが中高生だと、部活や塾などで帰りが遅くなったり、朝早くに家を出ることも多いでしょう。冷え込む季節はとくに、胃腸に負担をかけない温かい食事を用意してあげたいもの。おかゆは消化が良くエネルギーになるのも早いので、夜食や朝食はもちろん、体調がすぐれないときにも向いています。

こまめにタンパク質を摂ることは、どの世代でも意識したいことです。今回紹介するおかゆには、豆乳とささみを加えてタンパク質を補給。豆乳のコクで、薄味でも食べ応えは十分の仕上がりになります。

角切りにしたカブと、とろりとしたご飯は体を温めてくれます。緑黄色野菜であるカブの葉も捨てずに加え、栄養バランスよく仕上げた豆乳がゆは、どの世代にとってもやさしいメニューと言えるでしょう。

苦手な青菜も肉と一緒に

緑黄色野菜であるホウレン草などの青菜はたくさん食べて欲しいものですが、苦手なお子さんはいませんか。青菜だけのゴマあえが食べづらくても、「ホウレン草と豚しゃぶのゴマあえ」のようにタンパク質と合わせると、栄養価も上がり、食べやすさもアップします。

ホウレン草は食べやすい大きさに切ってからゆで、同じ湯で豚肉にも火を通すので、鍋を何回も洗う手間がいりません。豚肉が温かいうちに、先にあえ衣であえて下味をつけるのがポイント。あえ衣にはすりゴマを使うので、入れ歯にゴマが挟まって痛い思いをするようなこともありません。ホウレン草に含まれるビタミンAは、ゴマなどの脂質と一緒に摂ると吸収率が高くなります。

こうして見ていくと、3世代がおいしく食べられる食事は案外簡単に感じませんか。第1回で紹介した各世代の食事のポイントを意識しながら、家族全員が笑顔になれる食事づくりをしていけたらいいですね。

今泉久美

料理研究家、栄養士。
女子栄養大栄養クリニック特別講師。