-お弁当のテーマ、ポイントを教えてください。

テーマは、目で見ておいしそうでテンションが上がるお弁当です。ポイントは、常に子ども(食べる人)の体の状態、試合、練習のスケジュールを意識していることです。

-お子さんの体作りで最も意識していることは何ですか?

毎日お弁当を持参する長男は中学3年生の野球部員なのですが、第二次性徴と試合の連戦、クラブチーム並みの運動量なので、成長に必要なエネルギーを部活動での消費エネルギーにとられ過ぎないよう気をつけています。

具体的には、必要量を必ず食べさせられるように献立や味付けに気をつけること、帰宅したらすぐに炭水化物、タンパク質を摂取できること、疲労回復に必要な食材を取り入れることなどです。

-弁当作りでの時短のコツを教えて下さい。

夕飯の献立作りからすでに次の日のお弁当の中身を意識しています。献立は1週間分を作ってカレンダーに記載し、買い物も基本的には週に1回です。栄養バランスなども日々気をつけますが、1週間単位で摂取できるよう無理なく行っています。

メインのおかずは毎日少し多めに作り、できたらすぐに急冷し、冷凍庫へ。次の日の分と、冷凍ストックの分を必ず作ります。副菜はレンジで作れるもので、かつ、包丁を使わずに完成するものを1品は入れています。そうすることで、朝は卵焼きや和え物などを用意するだけでお弁当が完成します。

-弁当作りでの作り置きの工夫を教えて下さい。

作り置きは主に冷蔵でストック出来るもの、数日経った方がおいしくなるものととらえ、根菜の和え物や炒め物などを作ります。きんぴらなどになりますが、食材や味付けを変えて数種類冷蔵庫に入れておきます。ニンジン、ゴボウのきんぴらに飽きたら、次に作る時はカレー味にしたり、少し酸味を入れたりします。

特に作り置きは食中毒予防に、酢酸(お酢)を使うことと、防腐の役割をするカレー粉などスパイスを使うことが多いです。また水分はいたむもとなので、食材の水分をしっかり除くように調理の段階から気をつけます。

-弁当作りの工夫点を教えてください。

彩りは献立を作る時からある程度考えています。少なくても3色、通常は5色で考え、色ごとに大体の食材を使い分けます。生徒さんにも毎月のレッスンのレシピ説明の際に、赤ならミニトマト以外にラディッシュや糸唐辛子、パプリカ、緑ならレタス、カイワレ、パセリ、ピーマン、ホウレン草、茶色なら…というように食材を色別でご説明しています。

お弁当の詰め方ですが、ご飯とメインを入れたら、副菜を入れ、すき間が空いたら「すき間埋めメニュー」としてモヤシ黒コショウ炒め、モヤシカレー炒め、モヤシエビ黒コショウ炒めなど(冷凍むきエビは常備しています)や、レンジ調理で完成するもの、常備している手作り甘酒で作れる浅漬けなどをぎゅーっと詰めて入れます。

最後に彩りで入れるレタスは、そのまま1枚入れるのではなく、くるくる巻いてギュっと詰める事ですき間にうまくおさまります。

◆阿部優さん 陽だまりきっちん料理教室主宰。お子さん2人は野球少年。上の子の骨折をきっかけにスポーツ栄養学を勉強し、アスリートフード系の資格を複数取得。家庭料理教室の傍ら、スポーツ栄養学の講習会などを行い、八王子市のプロバスケットボールチームの栄養食事講習を担当したこともある。

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