高校野球の選手と、社会人・プロ野球選手を比較すると、高校生はまだ線が細く、カラダが発展途上なのだと感じます。しかし、社会人またはプロ野球選手になると体つきがしっかり、特に腰回りがガッチリしていることが分かります。

野球選手の主な動作は「走る」「投げる」「打つ」。

どのポジションの選手も、走って、投げて、打ちますが、ポジションによって、それに特化したトレーニングや体格などが求められます。「走る=俊敏性」「投げる=持久性」「打つ=パワー」というように、それぞれの特性を磨いていくことが重要で、ご飯だけでなくバランス良く食べることが大切です。

もう1つ、野球で特筆すべき点は攻守交代制であること。攻守交代の間に、チームメイトとコミュニケーションをとり、作戦を練ることができます。間食や水分を補給し、エネルギーチャージする時間がある競技です。野球を通じてカラダもココロも強い選手になるには、食事や栄養は切っても切れないものです。

動作別必要な栄養素

それでは、野球に必要な栄養素を動作やシーン別に説明しましょう。

走る

塁間をできるだけ早く走るためには、俊敏性はマスト。また、タイミングも重要ですね。俊敏性を高めるにはしなやかな筋肉が必要で、それを作るためにはタンパク質が重要です。タンパク質の代謝を高めるビタミンB6も一緒に摂りましょう。

<ポイントとなる栄養素(食材)>
 タンパク質(肉、魚、大豆製品)
 ビタミンB6(赤身肉、赤身魚、レバー)
 おすすめメニュー:赤身肉のステーキ

投げる

特に投手や捕手は、1試合戦い続けるスタミナ維持が重要です。これが、勝負の明暗を分けるかもしれません。スタミナアップのために糖質(炭水化物)がとても重要。糖質の代謝を助け、エネルギーに変えるビタミンB1の摂取も必要です。

<ポイントとなる栄養素(食材)>
 糖質(ご飯、パン、麺類、イモ類、果物)
 ビタミンB1(豚肉、木綿豆腐、納豆、玄米、ウナギ)
 おすすめメニュー:ウナ丼

打つ

打つにはパワーが重要で、強靭な筋肉が必要となります。強い筋肉を作るにはタンパク質。また、ビタミンDには、体内のカルシウム吸収を促して骨を増強するとともに筋肉の合成を促す作用があります。

<ポイントとなる栄養素(食材)>
 タンパク質(肉、魚、大豆製品)
 ビタミンD(キノコ類、魚介類、卵など)
 おすすめメニュー:サケとキノコのホイル焼き

攻守交代

ベンチにいる間は、少し休んでエネルギー補給や、チームメイトとコミュニケーションが取ることができます。リラックスするとともに、頭をクリアにして集中することが大切です。エネルギー・水分を補給をしっかりとりましょう。

<ポイントとなる栄養素(食材)>
 水分(水、お茶、スポーツドリンク)
 糖質(ハチミツ、ゼリー)
 おすすめメニュー:スペシャルドリンク

管理栄養士・新生暁子