例年に比べて長い梅雨が続き、低気圧で体調が今ひとつすぐれない方が増えているようです。選手の中でも、頭痛、おなかの調子が悪いなど不調を訴える声が聞こえています。

低気圧の時は、若干ですが、地上の酸素濃度が薄くなります。そのため、高地にいるときに高山病になるように酸素が脳にいかず、頭痛になることがあります。

貧血の人に多い症状

これはヘモグロビンが少ない状態(貧血)の人に多い症状です。ヘモグロビンはタンパク質と鉄からなる赤血球の成分で、体中の組織に酸素を運ぶ働きをしています。ヘモグロビンの材料が足りていないと、このような天候の変化に対応ができません。

自律神経の乱れからも

また、自律神経の乱れから体調不良になることもあります。自律神経は活動的になる交感神経、リラックスする副交感神経がありますが、そもそも酸素が薄い時、人間は基本的にあまり活発に行動しないように脈や呼吸数が減ってリラックスモードに、つまり副交感神経優位になるのです。

昔、狩りをしていた時代は、人間は天気が悪いと休んでいました。しかし、今は天気が良かろうが悪かろうが、仕事や学校に行かなければなりません。トレーニングも休めないことが多いはず。すると、交感神経と副交感神経の調整がうまくいかず、天気が悪いとだるい、眠い、布団から出たくない、体が思い通りに動かないなどの症状が出る方がいるのです。

副交感神経が強くなりすぎる

副交感神経が必要以上に強くなってしまうと、アレルギー症状が出やすくなったり、鼻水が出たり、おなかをこわしたり、胃の調子がよくないという症状につながります。副交感神経が過剰になりすぎて、逆に交感神経のスイッチが入ってしまう人もいるようです。そうなると、いつもよりイライラするなど感情の浮き沈みが激しくなったり、体に力が入りすぎて凝ったりという症状が現れます。天気が悪い日はコミュニケーションにも気をつけるべきかもしれません。

生活習慣・食習慣を整えて

天気が悪いときには無理して行動しすぎず、やるべきことだけをやるように心がけると良いでしょう。「早く寝る」「寝る前にスマホやパソコン、テレビを見ない」「食事は3食(+補食)を規則的にとる」「腹八分目にして消化に良いものを心がける」「水分をこまめにとる」「鉄分やタンパク質、マグネシウム、ビタミンB群の摂取を心がける」「コーヒーなどのカフェインの多いものはできるだけ避ける」などを意識することがおすすめです。

普段から自律神経が整っている人は、このようなことをきちんとこなしているので、天候に対応できる力も高いと思われます。天候に限らず、自律神経は体調に影響するので、生活習慣や食習慣を整えることは大切です。梅雨以外では、台風の多い時期も要注意です。

今回紹介するレシピは、「たっぷり薬味のサバ缶パスタ」です。パスタであってもしっかりタンパク質を摂取できるように作るのがアスリート。またサバは鉄が多い魚でもあります。写真では米粉のパスタを使用していますが、小麦粉のパスタでもおいしくできます。

サバのみそ煮缶を使うので味付けの手間もほとんどなく、簡単に作れるので、夏休み中の昼食にもオススメ。たっぷりの薬味を噛んで食べることで健胃効果もあります。

管理栄養士・園部裕美