前回のコラムでは、マグネシウムを主とするミネラルを豊富に含むにがりを活用することで熱中症予防になるとお伝えしました。今回は、熱中症になりやすい人に共通するある栄養素の不足についてお話ししていきます。

血液中の水分をため込む「アルブミン」

熱中症になりやすい人に共通する栄養素は「タンパク質」です。血液中のタンパク質のほとんどを占める「アルブミン」というタンパク質が、熱中症予防のカギとなります。

アルブミンは、スポンジのように水分をため込み、栄養素や水分を全身に運ぶ役割を持ちます。血液中のアルブミンが不足すると、その分、血液中の水分も少ない状態になり、結果的に熱中症になりやすい状態になります。アルブミンがないと血管内に水分がとどまることができないため、血管から水分が漏れ出て血管と細胞の間に溜まり、むくみやすくもなります。

「アルブミン」というタンパク質が不足すると、血液中に水分を保持することができない

そうならないために、まずは食事からしっかりとタンパク質を摂ることが大切です。アスリートや成長期であれば、体重1kgあたり、1日1.5gほどのタンパク質量を目安にしたいところですが、食べたものがすべて吸収されているとは限りません。

摂りすぎても消化できないタンパク質

そう聞くと、とにかく量を摂ることばかりに目がいき、プロテインを大量に飲んだり、タンパク質を大量にとりすぎておなかを壊したりしていませんか? 食事やプロテインをとった後に、下痢になる、便秘になる、おなかがガスっぽくなる、胸焼けがするなど胃腸症状が出ている場合は、食べたタンパク質がうまく消化できていない可能性があります。

そのような場合は、1回のタンパク質量を減らしたり、アミノ酸や、アミノ酸が数十個つながったペプチド(小さい分子)でタンパク質をとるよう工夫すると良いでしょう。アミノ酸やペプチド状態になっているものを食事で摂るなら、煮干し粉など細かくなっているもの、ボーンブロス(骨つき肉のスープ)などが良いでしょう。また塩麹やヨーグルトなどの発酵食品に漬けると肉や魚のタンパク質の結合がゆるみ、消化が良くなります。

アスリートに不可欠なタンパク質の不足は、残念ながら急に解消できることではありません。タンパク質の摂取や吸収不足がありそうな方は、長いスパンで食事を意識していきましょう。その上で、バランスの良い食事を整え、適切な水分摂取もしていきましょう。

熱中症予防のお弁当におすすめレシピ

今回紹介するレシピは、熱中症予防のお弁当にもオススメの「サバ缶の冷や汁」です。お弁当は、スープジャーを使いましょう。氷を入れて持ち運びすることで「水分+タンパク質」が補給できます。ただし、お弁当用にするときは豆腐は傷みやすいので除いてください。

スープジャーに入れてお弁当に持参してもいいですね

にがりを使ったレシピにしていますので、豆腐を入れなくてもマグネシウムは十分に補給できます。火を使わず、忙しい朝でも簡単にできるレシピ。ぜひお試しください。

管理栄養士・園部裕美