前回に引き続き、「マグネシウム」についてお話しします。

アスリートはより多く必要

 マグネシウムは、筋肉の収縮やエネルギー産生などに関わるため、運動する場合はしない場合に比べて、多くの量が必要とされています。つまり、アスリートはより多くのマグネシウムが必要です。

 ATPという筋肉を動かすエネルギーを作るためにマグネシウムが血中から筋細胞に取り込まれるように、3大栄養素(糖質、脂質、タンパク質)を体内で利用する(代謝)ときは、必ずマグネシウムが使われます。

 欠乏すると、運動による酸化ストレスからの回復を遅らせ、炎症や、免疫力の低下を引き起こす恐れがあります。ハードなトレーニングが続くと、免疫力低下によって風邪などの感染症にかかりやすくなりますが、特に季節の変わり目は風邪をひきやすいので、不足しないようにすることが大切です。

 マグネシウムは、海藻、ゴマ、にがり、大豆製品、魚介類、ココア、バナナなどに多く含まれています。普段の食事で、これらを意識して摂っていれば不足の心配はありません。ただし、外食やコンビニ弁当(おにぎり、パンなども)、パン、麺類、スナック菓子など塩分の多い食事をしているとナトリウムの過剰摂取となり、マグネシウムの吸収を阻害するので注意が必要です。

エネルギー代謝にも効果的な「アーモンド黒ゴマココアのオートミールバー」
エネルギー代謝にも効果的な「アーモンド黒ゴマココアのオートミールバー」

 今回紹介するのは、補食でエネルギー+マグネシウムが摂れる「アーモンド黒ゴマココアのオートミールバー」です。

 種実類の中でマグネシウムがトップクラスのゴマとアーモンドを使いました。主となるオートミールにもマグネシウムが多く含まれています。甘味は、砂糖などの甘味料を使わずに、レーズンの甘さだけとしています。

オーブンで焼き上がったところ
オーブンで焼き上がったところ

 また、このレシピはマグネシウムに加えて、カルシウム、鉄、亜鉛、銅などのミネラルも豊富に含んでいます。さらにビタミンB群も多く含みますので、エネルギー代謝にも効果的な補食になりそうです。ぜひお試しください。

管理栄養士・園部裕美