米国整形外科学会(AAOS)は昨年7月1日、「女性アスリートの3主徴」が女子選手の骨損傷や疲労骨折リスクの増大と関連するとした研究結果を「Journal of the American Academy of Orthopaedic Surgeons」誌に掲載し、ホームページで紹介しました。

 「女性アスリートの3主徴」とは、
①エネルギー(カロリー)不足
②月経異常(生理不順や不妊)
③低骨密度(骨が折れやすい)

のこと。栄養不足やエネルギー不足と診断された女性アスリートでは、そうでない選手に比べて骨折などのリスクが2~4倍、月経周期異常のある選手は3倍近くもリスクが高かったとのことです。

 スポーツの現場では、いまだに「体重」が競技力向上の指標とされ、「太るな」「やせろ」といった指導をしているのを多く見受けます。極端なダイエットをすると、体脂肪だけでなく、筋肉や骨なども減らしてしまいます。強くなるどころか、ケガをしやすくなり、選手生命が短くなる恐れがあります。一生の健康にも影響を及ぼすことさえあるのです(重大な病気、不妊など)。

女性の骨密度は25歳がピーク

 栄養とエネルギーのバランスを適切に保つことは、すべてのアスリートにとって重要ですが、女性であれば、25歳までに骨密度を最大限に増やすことが一生の骨の健康に関わります。骨密度はここでピークを迎え、その後、増えることはありません。

 また、エネルギー不足からの無月経と骨との関係性は「女性ホルモン」に秘密があります。男性より女性が骨粗しょう症になりやすいのは「閉経」が関係しています。閉経に伴い、女性ホルモンであるエストロゲンが大幅に減少すると、骨代謝のバランスが崩れ、古くなった骨はどんどん壊されますが、新しい骨がなかなか形成されず、骨量が減少してしまうのです。

 過度なトレーニングやそれに見合っていない食事量でエネルギー不足に陥り、月経が止まってしまうと、更年期障害と同じ症状を発症し、骨密度も低下してしまいます。「16歳で骨密度は70代」なんてことにならないよう、日頃から食事に気をつけることが大切です。

将来を考えて競技に取り組んで

 選手には自分の将来を考えて、いつに競技のピークを持って行きたいかを明確にし、保護者、指導者にはその子の人生を考えて、以下に気をつけてほしいと思います。

適正な体重、体脂肪率を把握し、極端に食事を抜くダイエットは避ける。
無月経や月経不順は放置せず、婦人科を受診する。
女性は1カ月の間に体重は1~2キロ変化するもの。月経周期を把握して、前後の体重変化を記録する。

 運動して消費した分の栄養(エネルギー)はしっかり補給しましょう。体を強くしたい、成長させたい、筋肉をつけたい、しなやかな体を作りたいのであれば、それに見合った食事が不可欠です。強い選手に必要なメンタル面においても、栄養が影響してきます。

イワシのつみれと小松菜のみそ汁

 今回は練習後、しっかり栄養補給ができるレシピ「イワシのつみれと小松菜のみそ汁」を紹介します。骨の健康を維持するカルシウムとビタミンDがしっかりとれ、かつ女性には欠かせない良質な油をたっぷり含むレシピです。