女性と男性では骨格や筋肉量が違い、一般的に男性より体脂肪量が多い傾向にあります。カラダの変化は順調に成長している証なのですが、「太った」と思い、間違った方法で減量することにより、諸々の障害をきたすリスクが高くなるので注意が必要です。

間違った減量方法による障害の例

(1)摂食障害
過度な減量が引き金となり、拒食症や過食症などの摂食障害を起こすことがあります。

(2)貧血
月経のある女性アスリートは貧血になりやすい傾向があります。適切なエネルギー量の確保と鉄を意識的に摂取することで予防します。

(3)月経障害
激し過ぎるトレーニングや少な過ぎる体脂肪量などにより、続発性無月経や稀発月経などの月経障害が起こることがあります。

上記になってしまうと、治療が必要になり、トレーニングにも弊害が生じるなど本末転倒の事態となります。まずは、減量がその選手にとって本当に必要なのかを考えてみてください。

食事記録で食べているものを見返す

減量する前に、食事記録(食事、間食など食べたもの全部)をつけ、口に入れているものを見返してみましょう。スイーツやスナック菓子など不要なものや食べ過ぎているものはないか、マヨネーズや油分たっぷりのドレッシングを使用し過ぎていないか、揚げ物や脂身の多い部位の肉類を食べ過ぎていないかなどをチェックしてみてください。それらを改善するだけで、カラダの変化が現れるかもしれません。

その上で、パフォーマンスアップのために必要な減量は「基本の食事の形」に整えながら、長期間かけて行っていきましょう。

写真は「牡蠣と菜の花のパスタ」です。牡蠣はビタミンA・B2・B12・E・葉酸などのビタミン、鉄・亜鉛・カルシウム・マグネシウムなどのミネラルの他、タウリンも多く含まれています。菜の花はβカロチン、鉄、カルシウム、ビタミンCなどが含まれています。

真牡蠣の旬は11~4月。産卵の準備に入り、栄養を蓄える春先は身も大きくなり、味も濃厚になります。菜の花も1~3月が旬です。アスリートに必要な栄養価の高い食材の組み合わせをぜひお試しください。

なお、パスタを調理するときはゆで時間を確認し、ゆで上がるタイミングにソースを作り終えるようにすると、おいしく出来上がります。

管理栄養士・石村智子