どのような声がけ、接し方がいいのか

2005年に食育基本法が制定され、小中学校で食事や栄養について指導されています。スポーツを積極的に行っている子でなくても、バランスのよい食事が大切であることは分かっています。頭では分かっていてもなかなか行動に移せない子には、どう寄りそったらいいのでしょうか。

数多くの子と関わってきましたが、子どもにも色々なタイプがあります。経験上、一番効果を出しやすいのは、まず「どうなりたいか、そのためのどうするか」を発言させることです(ここで、大人は否定しないこと)。そして、昔の私のように、子どもに対して要求水準が高すぎてやる気をなくさないように、接する必要があります。

具体的な目標設定、実行したことをほめる

人が新しいことにチャレンジする時には、その人がどのくらい「自分はできる」と思っているかが、カギになります。

例えば、食事量が少ない子に対して、「たくさん食べなさい」と漠然と言っても伝わりません、「今毎食150gずつ食べているね。いきなりたくさんは食べられるようにはならないから、毎週1口ずつ(20g程度)多く食べるようにしてみよう。それを1週間ずつ続けたら、5週間で毎食100gも多く食べられるようになる…。つまり1日でどんぶり飯1杯分も増えるね。この方法ならできそう?」という感じで、小さな目標を積み重ねられるよう具体的に伝える必要があるのです。

それが達成できた場合は、“いちいち”「ほめる」ようにしましょう。たくさん食べたことに対してではなく、「決めたことを実行したこと」に対して。「有言実行」できてすごい、という部分を評価してあげてください。決して他の子と比べず、「昨日の自分と比べてよくなっていればいいよ」と励ましていきましょう。

先日、静岡県内の4つのJチームの選手会で成り立つ「ONE SHIZUOKA PROJECT」で4選手と料理対決を行いました。今回は、そこで選手と一緒に作った「サバ缶の天津チャーハン風」を紹介します。

サバもシイタケも苦手だった選手が、「これならペロリと食べられる!」と好評だったレシピです。サバと卵で、良質のタンパク質やビタミン・ミネラルをしっかり摂れます。シイタケはビタミンDが豊富でカルシウムの吸収もアップ。暑さで食が進まない時でも、あんかけがかかっていることでのどの通りもよくなり、ご飯もすすみます。ぜひお試しください。

静岡スポーツ栄養研究会/管理栄養士・中野ヤスコ