「生はちみつ」って何?

はちみつは元々、蜂の巣の巣箱にたまったものを機械(遠心分離機など)を使って濾過し、集めたものです。ただ、自然に濃縮するのを待つのは多くの時間がかかり、濾過にも時間を要します。外国から輸入される際には、輸入時の振動や温度で結晶化してしまうこともあります。

それを防ぐため、花の蜜をより早く取り出すために人工的に濃縮したり、加工(フィルターを通しやすくする)や結晶を取り除くために加熱したりする方法があります。ただし、加熱の過程で若干の酵素やビタミンが失われることがあるのがデメリット。そういった工程を踏まず、非加熱で、熱に弱いビタミンやミネラル、酵素の成分がそのまま生きているはちみつのことを「生はちみつ」と呼んでいるようです。生はちみつにおける定義は、特に決まっていません。

「みつろう」ってなんだ?

最近SDGsで話題の「みつろうラップ」や、昔から大人気の「みつろうキャンドル」「みつろうクレヨン」「みつろうハンドクリーム」など、みつろうを原料とする商品があります。みつろうとは、はち“みつ”の蝋(ろう=ワックス)のことで、蜂の巣の材料からできているものです。

ミツバチが六角形の巣房を作る時、腹部にある8つの分泌腺からうろこ状のろうを分泌します。薄い紙のようなろう片を、足を使って上手に運び、顎から分泌される酵素と混ぜて、形を整え、巣を作っていきます。はちみつを巣にため込む時も蒸発しないように、最後にみつろうで蓋をします。みつろうは、ミツバチが自ら分泌して作り出した「天然のワックス」と言えるのです。

色々な甘味料とはちみつとの違い

はちみつは紀元前からの歴史がありますが、現在、私たちが最も多く利用している甘味料は砂糖です。栽培技術の進歩によって、原料である砂糖大根や砂糖きびを大量に栽培できることになったことが理由です。

砂糖やはちみつ以外にも色々な甘味料があります。それぞれの甘さや特徴を感じながら、料理によって使い分けてみましょう。

上白糖=通常白砂糖と呼ばれている、サトウキビなどの絞り汁を結晶化し、精製したもの。
はちみつ=ミツバチが花の蜜を集め体内で変化させ、巣の中で水分を蒸発させ濃縮したもの
メープルシロップ=樹木「砂糖楓」の樹液を煮詰めたもの
メープルシュガー=樹木「砂糖楓」の樹液を煮詰めて作った茶褐色の砂糖。はちみつのような独特な芳香と甘味をもつ(メープルシュガーと水を2:1の割合で混ぜるとメープルシロップに)
パームシュガー=ヤシの木の一種「砂糖ヤシ」の花茎からとった樹液を煮詰めて作る黒褐色の砂糖。マイルドな甘味とうま味を持つ
水飴=でんぷんを酵素や酸で糖化した粘稠性のある甘味料。

はちみつで自家製ジンジャーエール作り

最後に、簡単に作れる「自家製ジンジャーエール」を紹介します。前回紹介した「ショウガ」をはちみつで漬けてみましょう。

材料
・ショウガ…大きいもの1片(100g)
・はちみつ…200g

お好みで香辛料を
・シナモンスティック…1本
・鷹の爪…1本
・ブラックペッパー…10粒
・クローブ…5粒
・アニス…1個

作り方

(1)ショウガは軽く汚れをとってスライスする(薄切りかスライサーで)
(2)きれいな瓶にはちみつとショウガを入れてしっかりと蓋をする
(3)好みの香辛料があれば入れてよく振る。半日程度たつと、ショウガの水分が出てはちみつがサラサラになる (4)1日以上おいて出来上がり!

炭酸水で割ればジンジャーエール、お湯で割ればホットジンジャー、紅茶に入れたらショウガはちみつ紅茶、ビールで割ればシャンディガフ…と家族でシーズンを問わず楽しめます。ショウガの香りがするシロップなので、豚のショウガ焼きのつけダレや、すき焼きの割下にも大活躍です。

なお、漬け込んだショウガはそのまま食べても美味しいですし、酢で漬ければ酢漬けに。しょうゆとお酒で煮ると佃煮に大変身します。