令和6年1月1日に起こった能登半島地震。震源に近い富山県氷見市も大きく揺れや被害がありました。

氷見市は日本ハンドボールリーグに所属する富山ドリームスのホームタウンです。選手たちは正月休暇に入っており、氷見に残っていた地元出身の選手が数名被災しました。当時の様子を前田理玖(りく)選手、森康陽(こうよう)選手にインタビューし、2回に分けてお伝えします。

森康陽選手(左)と前田理玖選手
森康陽選手(左)と前田理玖選手

―地震発生時はどこにいて、何をしていましたか

前田 加納地区で妻と甥たちと外で遊んでいました。

 家族親戚が集まって、母の実家で食事をしていました。

―震災時の状況を聞かせください

前田 大きな音が鳴ると、間もなく大きな揺れを感じました。コンクリートが見たことのないように湾曲していたのを覚えています。同時にアラームが鳴り、「津波が来ています」と。慌てて家に戻ると、家で団らんしていた家族も外に出てきており、すぐに避難しました。近隣住民の方も外に出てきて、揺れで立っていられない方も多くいました。

 突然、携帯からけたまましい警報が鳴り、びっくりしている間もなく、大きな揺れが襲ってきました。大きな揺れで倒れそうなテレビを必死に抑えながら、揺れが収まるのを待ちました。そして、テレビの速報で津波警報が出たのを見て、すぐに家族と山の方に逃げました。

―避難の状況を教えてください

前田 私は猫を抱えて、家族、親戚と共にフレスポ(氷見市ふれあいスポーツセンター、普段、ドリームスが練習をしている山の上に建っている体育館)に車で避難しようとしましたが、渋滞で山まで登れないと判断し、上庄地区に向けて避難しました。家族全員の合流が確認できてから、さらに山の方(触坂方面)に避難していたところ、旧久目小に到着しました。逃げることに必死で、パニックでした。

 揺れが落ち着いて、母の実家の方から、一度、車で自宅に戻り、その後、家族と共に祖父母も連れて、避難場所の旧久目小学校に避難しました。

―2人とも同じ避難所に避難されましたが、そのときの状況を教えてください

前田 私たち家族は早い到着の方でした。消防団の方が鍵を開けている段階で、数十分後には多くの方が避難してこられました。

 今までに経験したことのない地震と津波で状況もあまりわからず、ご高齢の方も多かったのでとても不安な雰囲気が流れていました。避難所では前田選手たちと水や食料などを運ぶ手伝いをしていました。

―避難所で1日を過ごしたのですか

前田 夜まで避難所で過ごし、津波警報が落ち着いたところで家に戻り、家の中の片付けをしました。電気、ガスは大丈夫でしたが、断水しており、水は使えませんでした。水が使えないと不自由ですね。お風呂にも入れません。断水は4日ほど続きました。

 僕も避難所で宿泊はせず、家に帰りました。家に帰ったら、家の中のものは散乱していてドアなども壊れていました。電気、ガスは大丈夫でしたが、断水で水が使えませんでした。トイレに困ったので川から水を汲んで使いました。飲み水としては父のお酒用の炭酸水がたくさんあったので、それを飲んでいました。また地震がきて家が壊れると危ないので、布団を持って車の中で眠りましたが、そんなに眠れないですよね。

多くの助けを得ながらチーム練習を再開

海に近いエリアでは、地震のほか津波もあり、高台への避難を余儀なくされました。また、大きな地震であったため、家の倒壊や液状化での道路や地盤の隆起、そして、ライフラインでは停電、氷見市全域での断水が続いたことも大きな大打撃となりました。

チームの練習は8日から再開しました。氷見市ふれあいスポーツセンターは避難場所となっていたため使用できませんでしたが、様々な方の協力により、隣の市の施設を使用することができたことを感謝します。

富山市の舘川管理栄養士も被災

富山市に住む私も被災。エコキュートの配管が割れて2週間程度お湯を出すことができませんでした。また、オーブンレンジなども落下して壊れたため、1週間ほど電子レンジが使えず、冷蔵庫のドアも開いてしまっていたため、食材はほぼ廃棄しました。震源地により近い方々に比べると、被災の状況はたいしたことはないのですが、不都合を感じました。

しばらくは風呂も食事も実家や親類に世話になり、今回のレシピ「サバ缶とワカメのあえ物」はその時に家に残っていた食材で作ったものです。火を使わずに作れるものとして、缶詰や乾物を使いました。

被災したときは、電気やガスが使えないこともあります。急場をしのぐため、食事内容もご飯やパン、麺など炭水化物に偏りやすい傾向がありますので、乾物、缶詰などがあると野菜やタンパク質を摂取することができます。

缶詰や乾物などは賞味期限が長く保存可能で、温度管理や調理の手間も要らず、手軽に食べることができますね。サバのみそ煮缶やサンマの蒲焼き缶など味がついているものは調理不要でそのまま食べられますので備蓄にも良いですね。

次回は、被災時の選手の食事や何が必要だったかなどをうかがいます。

管理栄養士・舘川美貴子