午前と午後に試合があるとき、お昼にお弁当を食べるとおなかが痛くなるという選手がいました。「食べなかったらおなかがすいて、集中できません。どんなお弁当を食べたら大丈夫ですか」と質問を受けました。

おなかが痛くなる要因は?

まず、おなかが痛くなるからといって食べずに試合に臨めば、エネルギー切れでスタミナや集中力がなくなってきます。当然、パフォーマンスは落ちてしまうので、試合やレースの開始時間を見ながら補食を摂ることが大切です。

食べた後すぐの試合でおなかが痛くなる要因としては、消化の問題が考えられます。卵やから揚げなどが入ったボリューム満点のお弁当を食べると消化が間に合わず、消化不良や腹痛などの原因になることがあるのです。

そのようなことを考え、1日に何試合もある場合は、消化が良くエネルギー源となる炭水化物(糖質)を多く含む食品を優先に選んでいきましょう。から揚げやとんかつなどの揚げ物や、マヨネーズを使ったポテトサラダやゴボウサラダなど脂質の多いものは消化が悪いので控えましょう。

消化の良い糖質中心の補食に

休憩が1時間や2時間と短い場合や試合の間隔が短い場合は、スポーツドリンクなどで十分に水分補給を行った上で、ご飯や麺などのでんぷん(多糖類)よりも消化の良い果糖やブドウ糖を摂ることです。果糖やブドウ糖を含むものとしては、果物、カステラ、団子、バナナ、オレンジジュースなどがあります。

時間別にオススメする食品

時間別にオススメする食品は次の通りです。

試合2~3時間前=おにぎり、パン、うどん、カステラ
試合1~2時間前=団子、カステラ、もち、バナナ、100%果汁ジュース、スポーツドリンク、エネルギーゼリー
1時間~30分前=エネルギーゼリー、スポーツドリンク、あめ

体格や試合の開始時間にもよりますが、中学生の女子選手なら梅おにぎり1個、カステラ2個、オレンジジュース200ml1本などが適量でしょうか。様子を見ながら果物を増やしたりして、満腹にならない程度が目安です。お弁当をしっかり食べるのは試合後にして、試合の3~4時間前には食事を済ませておきましょう。

今回は、食べやすく、試合前後の補食におすすめの「みたらし団子」を紹介します。材料をこねて丸めて茹でるだけです。試合の時の食事の話をしながら、ぜひ親子で作ってみてください。

管理栄養士・舘川美貴子