前回のコラムでは、カレーの具材を例にして食品に含まれる脂質量の違いをお伝えしました。

脂質量は、食品や調理法だけでなく調味料によっても変わってきます。一番わかりやすいのはドレッシングで、ノンオイルとそうでないものでは次のように脂質量に大きな差があります。

ドレッシング10gあたりのエネルギーと脂質量
サウザンアイランド=39kcal、39.2g
フレンチ=33kcal、31.5g
和風=18kcal、14.5g
ノンオイル和風=8kcal、0g

ほかに脂質の少ない調味料としては、「さしすせそ」で表す「砂糖、塩、酢、しょうゆ、みそ」やソース、ケチャップがあります。砂糖、塩、酢、しょうゆの脂質は0g。みそは種類によっても違いますが、かなり少ない量です。一方、市販のカレールウなどは食用油脂が使われているため、脂質多めです。

調味料10gあたりのエネルギーと脂質量
ウスターソース=12kcal、0g
ケチャップ=10kcal、0g
カレールウ=47kcal、3.4g

1日の脂質の摂取割合は20~30%

1日の摂取エネルギーの中で3大栄養素のバランスは、「Protein=タンパク質」「Fat=脂質」「Carbon=炭水化物」の頭文字をとって「PFCバランス」と言われ、脂質の摂取は20~30%が目安とされています。1日3000kcalの食事をとる場合、脂質(食品中に含まれる脂質も含む)の目安量は約66~100gとなります。

体脂肪を減らす、減量を目的として、食事量や食品を調整していても、脂たっぷりの調味料をかけていたら効果は半減してしまいます。体重管理が必要な場合は、調味料は何を選ぶか、どのくらいかけるかまで気を使うと良いでしょう。

今回は、「チキンみそミートローフ」を紹介します。鶏むね肉のひき肉を使い、みそで味付けをしたもので、合いびき肉を使うミートローフよりも脂質を抑えています。オーブンで焼くミートローフは、大人数が集まる年末年始でも活躍するレシピです。ぜひお試しください。

参考文献:
・文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)」
・厚生労働省「食事摂取基準2020」

管理栄養士:田澤梓