熱中症は、ならないようにする「予防」と、なってしまった後の「対策」が大切ですが、どちらも体温を調整すること、上がってしまった体温を下げることが必要です。

私たちが普段、体温計で計っている体温は体の表面の温度です。体の内部の温度を「深部体温」といい、37~37.5℃あたりで維持されていますが、高温多湿な環境や活動によって過度に上昇すると、熱中症の症状が現れます。パフォーマンスや認知機能が低下し、運動が継続できなくなります。

効率的な体の冷やし方

深部体温を下げるためには体の内部から冷やすこと。そのためには、冷たい飲み物を飲んだり、体を外から冷やすアイスバス(冷水風呂)や冷却ベストを使ったりする方法があります。最近は、熱中症対策として製氷機が設置されている施設も出てきましたが、実際には「どのように使ったらいいのか分からない」として、あまり活用されていないところもあるようです。

氷は水に入れて流動性を持たせることで、より体の表面に密着して接するため、熱が逃げやすくなります。ハーフタイムや休憩時間では、製氷機の氷と水を使って、首や脇の下、鼠径(そけい)部や手のひらを冷やしましょう。

冷たい水分も体を冷やす

また、体温を下げるという点では、冷たい水分の方が熱を下げやすいため、水分補給用のドリンクなども冷蔵庫へ入れたり、氷水で冷やしたりしておくと良いでしょう。ただし、冷たいものを運動中に飲むと腹痛や違和感がある場合は、個人の好みの温度で飲んで構いません。その代わり、外部から体温を下げる工夫をしましょう。

今回は冷たいドリンクとして、運動で高くなった体温を下げるのにもおすすめの「ヨーグルトマンゴードリンク」を紹介します。以前、ドライマンゴーを使った「マンゴーヨーグルト」を紹介しましたが、今回は生のマンゴーを使っています。材料をミキサーに入れるだけでおいしく出来上がり、タンパク質と糖質が補給できます。

管理栄養士・田澤梓