ひとの体にはサーカディアンリズム(日内時計)という周期をもたらす仕組みがあり、体温やホルモン分泌などは約24時間のリズムで変動します。体温は起床直後から徐々に上昇し始め、午後2時頃にピーク、睡眠時に最低値となり、午後2時頃のピーク時と睡眠時の最低値の体温の差は約1℃にもなります。

身体能力は体温と同じ午後2時頃

身体能力や知的作業能力は、体温上昇の変動と一致しており、午後2時頃にピーク。持久力や筋力、肺活量などの運動機能も夕方に最大となります。

胃腸の運動や消化酵素の分泌は習慣的な食事時刻を記憶し、食事時刻を予知して活発になります。消化管機能は夕方にピークになるため、食べても体重が増えにくい、体が大きくならないという選手は、この時間帯に補食や食事をとり、効果的に栄養素をとり入れることもひとつの方法です。

消化機能のピークとなる時間帯
・唾液の分泌=夕方
・胃液の分泌=午後8時頃
・膵液の分泌=夕方
・二糖類消化酵素=午後1時頃

成長ホルモンはノンレム睡眠時

また、骨格や筋肉の合成に関与する成長ホルモンの分泌は、睡眠初期の深い睡眠(ノンレム睡眠)時にピークを示す日内リズムが存在します。特に成長期でもある思春期には成長ホルモンの分泌が増大し、睡眠時以外の夕方などにも分泌のピークが数回出現します。高強度のトレーニングでも成長ホルモンの分泌が促進されるので、運動後はタンパク質が豊富な食事と快眠によって、運動で分解した筋肉をすみやかに修復し、合成を促してください。

今回は「キノコの煮込みハンバーグ」を紹介します。やわらかいハンバーグはステーキなどより消化が早く、運動後のエネルギーやタンパク質が素早く補給でき、練習後の夕食メニューにおすすめです。

規則正しい生活をしている人は日内リズムが整っているといいます。日内リズムをうまく活用して効率良く栄養を取り込み、トレーニングも体作りも効果を上げていきましょう。

管理栄養士・田澤梓

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