生物には日内リズム(体内時計)があり、規則正しい生活をしている人は、それが整っています。逆に言うと、日内リズムに沿って生活や運動をすれば、より効率良く、効果を上げることができるのです。

起床後、徐々に体温や血圧が上がり、日中に活動的に過ごせるように、体は準備します。朝は、激しい運動には適さない時間帯のため、運動強度が低めのストレッチやウオーキングなど、ウオーミングアップのような運動が向いています。

消化酵素の分泌量は朝から徐々に増えていくため、朝食は油こってりのような消化に負担のかかる食べ物よりも、油控えめで良質のタンパク質が含まれるものが望ましいですね。1日の活動開始時にタンパク質を摂取することにより、鉄の吸収が高まるという報告もあります。

消化酵素の分泌のピークは夕方で、夕食の吸収率が最も高まります。ただし、あまりにも遅い時間になると消化機能は低下しているので、夕食が遅くなる人は、夕方に補食を摂り、遅い時間の食事量を減らした方が負担は少ないでしょう。

体温や血圧は午後2時過ぎに最も高くなり、筋力や肺活量は夕方がピークになります。この時間帯で運動すると最も良い記録が出やすく、効果も上がります。成長ホルモンの分泌は強度の高い運動によっても促進されるため、夕方にそのような運動をすることは、体にも負担が少なく、効果的です。

日内リズムは、24時間より少し長い周期で刻まれています。それをリセットして、実際の生活時間である24時間に合わせるには、朝日を浴びることと、朝食を食べて血糖値を上げ、消化管を使うことが有効です。

【管理栄養士・今井久美】