私たちは体内時計を持っていて、これが1日の睡眠の周期などの活動リズムを生み出していることは、皆さんご存知だと思います。さらに朝食をとることが、このリズムを整えるために重要であることが分かっています。

 つまり、体内時計を整えるのに重要なのは「朝日を浴びること」と「朝食を食べること」。

 脳には中枢の時計遺伝子、臓器、筋肉などには末梢の時計遺伝子があります。中枢の時計遺伝子は朝、日光の刺激を受けることで体内時計にリセット作用を及ぼします(24時間リズムに時計を合わせる作用)。また、末梢組織の時計遺伝子は、朝の食事で体内時計がリセットされ、眠りから活動に向かうリズムが整えられます。

朝はミネラルの吸収率高まる

 では、朝食は何を食べれば良いのでしょうか。最も重要なのは、タンパク質を含む食事であるということ。忙しい時でも「タンパク質+炭水化物」が摂取できる食事をチョイスすることが大切です。

 例えば、
・納豆ご飯
・卵サンド
・シリアル+ヨーグルトなど。

 アスリートであれば、乳製品や大豆製品だけに留まらず、肉・魚類や卵といった動物性タンパク質を少しでも食べることで、ビタミンB群、鉄などのミネラルも補給できます。鉄は、朝に吸収率が最も高まります。

 「朝食を食べられない」「食べる習慣がないが食べた方が良いのか」といった相談を受けることがありますが、このように、朝食は体内時計をリセットする、鉄などのミネラル吸収が良いといった理由からも食べた方がいいと言えるでしょう。

 ただ、普段食べていなければ、急にたくさん食べても体が適応できず、胃もたれする、体が重い、おなかを下すといった状態になりやすくなります。まずは、1日トータルの栄養量が足りているかを考えて、朝に食べる量を少しずつ増やし、残りの足りていない分は補食などの別の時間で補うなど、工夫してください。

自宅にある野菜の残りでできる「お好み焼き風野菜とチーズの卵焼き」
自宅にある野菜の残りでできる「お好み焼き風野菜とチーズの卵焼き」

 今回紹介するレシピは、家にあるもので簡単に作れる「お好み焼き風野菜とチーズの卵焼き」です。

 残り物の野菜を何でも刻んで入れられます。朝からソースはちょっと…という方は、ポン酢やしょうゆなどにしてもOK。かつお節、桜エビ、青ノリなどの乾物をプラスすると、それだけで栄養価がアップするので忘れずに。桜エビの代わりにちりめんじゃこやシラスもおすすめですし、トーストなど洋食メニューにもぴったりです。

管理栄養士・園部裕美