ビタミンの中でも、B6はあまり効能が知られていない栄養素かもしれません。ビタミンB6は水に溶ける水溶性ビタミンの一種で、腸内細菌によっても一部体内で作られます。

食品のタンパク質中からエネルギー産生をする働きがあり、そのためタンパク質を多く摂取する人ほど必要量が多くなります。筋肉合成のためにも必要で、皮膚炎を予防することから発見されたビタミンのため、皮膚や粘膜の健康維持にも役立ちます。

不足すると皮膚炎、口内炎や貧血に

1日の推奨量は19~50歳の男女で1.3mg。ビタミンB6が不足すると、皮膚炎や口内炎、貧血などが起こります。腸内細菌からも作られるので、不足することはほとんどありませんが、抗生物質を長期間飲んだ場合は不足することがあります。また最近では、月経前症候群(PMS)の症状がある方はビタミンB6不足の場合があり、ビタミンB6を投与するとPMSの症状が緩和したという報告もあります。

肉やマグロなどの魚にも多く含まれる

ビタミンB6を多く含む食品としては、肉類は全般、魚はマグロやカツオなどが挙げられます。「ビタミン」と聞くと、野菜や果物に多いイメージがありますが、主菜となる肉や魚もビタミンの補給源になります。

スポーツ選手は「鉄補給のために牛肉」「ビタミンB1 補給のために豚肉」「低脂肪なので鶏のささみ」と選んで食べる傾向がありますが、主菜も単一の食品ばかりではなく、牛、豚、鶏、魚とさまざまなものを食べ、エネルギーと栄養素を補給しましょう。食品から取りすぎることはありませんが、サプリメントでの過剰摂取には気をつけましょう。

今回は「チキンのカレー風味漬け焼き」を紹介します。ヨーグルトのおかげでチキンが柔らかくなり、カレーの風味でご飯がすすむ料理です。ビタミンB6は0.49mg含まれています。タンパク質もしっかり摂って体づくりに役立つ一品です。

管理栄養士・田澤梓