前回(「肉・魚・大豆…アスリートならいろいろな食材の主菜を食べよう」)と、前々回のコラム(「『アスリートだから』野菜を、副菜でバランス良い食事」)では、バランスの良い食事の基本は、1回の食事で主食+主菜+副菜+果物+乳製品を整えることと話しましたが、スポーツ選手が自身のパフォーマンスを発揮するには、「主食」のとり方が最も大切です。

 ご飯、パン、麺といった主食は米や小麦などの穀類で、炭水化物の供給源となります。炭水化物は体内で主にエネルギー源となるため、日常的にトレーニングをしているアスリートは主食をしっかり食べることで、トレーニング効率も上がります。

 試合前は炭水化物を意識して多くとり、筋肉中の炭水化物エネルギー源「グリコーゲン」を多く貯蔵して、試合に備えます。試合の3~4日前から脂質の多い食品や調理法は控え、試合前日と、試合当日の朝食は主食と果物を普段より増やし、主菜や副菜の量を調節することがポイントになります。

 炭水化物は効率のいいエネルギー源ですが、必要以上にとると体内で中性脂肪に作りかえられ、体脂肪の増加につながるため、自分にとって必要な量を知ることが大切です。

3種類のお芋ご飯
3種類のお芋ご飯

 今回の「3種類のお芋ご飯」はサツマイモ、ジャガイモ、サトイモの3種類を炊き込んだご飯です。

 100グラムあたりで炭水化物量が1番多く、甘味が強いのがサツマイモ。サツマイモやジャガイモに含まれるビタミンCは加熱に強いのが特徴です。

炊き上がり直後の様子
炊き上がり直後の様子

 サトイモは3つのイモで一番低エネルギーで、カリウムが最も多く含まれています。カリウムは他のイモにも含まれますが、体内の水分量を調節し、筋肉の収縮に関連する栄養素なので、不足すると筋肉のつりやけいれんの原因になります。3種類のイモを炊き込むことで、それぞれのイモの味や食感を楽しんでください。