少人数ミーティングで課題を早く解決

コロナ禍で選手同士が集まれない時に役立ったのは、今季から導入した少人数制のオンラインミーティングだ。早大は選手約100人をA~D、1年生の5軍に分け、練習も3つの時間帯に分けている。それを学年、ポジション関係なく6~8人のグループに分けて週1回、「立場関係なく本音を話す」という目的で始めたものだ。

昨年から、コーチ陣らが体作りのために「どうなりたいか」「そのためにどうするか」「できた、できなかった理由は」「ではどうするか」といった Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)の「PDCAサイクル」で選手に考えさせるようにしているが、この少人数グループでも、それが生きている。ラグビーの映像を見ながら意見交換するだけではなく、「将来、こういう選手になりたい」と下級生が言えば、上級生がそうなるためのアドバイスや指針を提示。下級生が遠慮なく意見を言える場でもあり、上級生がリーダーとしての自覚を認識する場にもなった。

「人の意見で気付ける部分もあるし、考え方も広がる。垣根を越えた関係ができてコミュニケーションが上手くとれるようになった。これは必ず、グラウンドでのプレーに生きると思う」。丸尾主将も自信と手応えを得ている。

早大ラグビー部のクラブハウスには、栄光の数々が飾られている
早大ラグビー部のクラブハウスには、栄光の数々が飾られている

まずは早明戦で明治を倒す

大学日本一になる前に、昨年の対抗戦で敗れた明大を倒さなければならない。12月6日、秩父宮競技場で行われる早明戦。くしくも明大の主将、箸本龍雅(4年)はポジションをNO8に変更する。

「彼が前に出てきたら、必ず自分が前に出て止めて、ひっくり返す。そして早稲田が前に出る。彼は素晴らしい選手で、将来(の日本代表入り)も有望。(東福岡)高校時代からすごかったが、自分は無名。でも、そういう選手に勝つのが自分だと思っている」。

それまでにこやかに話していた丸尾主将だが、この時ばかりは語気を強め、強力なライバル心をむき出した。今年のチームスローガン「BATTLE」の通り、熱戦の序章はすでに始まっていた。

【アスレシピ編集部・飯田みさ代】