<コロナ禍を乗り越えて:早大ラグビー部(下)>

早大ラグビー部が食事改革に着手したのは2016年。常駐管理栄養士として5年目となり、フルタイムで勤務している共立メンテナンスの島寿子さんは、ストレスのかかる環境で過ごしてきた選手たちを食事面でサポートしてきた。

これまでと変わらない日常を演出するため、衛生面には最大限に注意しながらも、ビュッフェスタイルは変えなかった。手洗いうがいは当たり前。それプラス、次の約束事を決めた。

・食事時間を分ける
・トングは30分に1回交換する
・食材や料理をとる際は使い捨ての手袋をはめる
・食材や料理をとる際はしゃべらない

寮に残った選手が37人になった時は、向かい合って2人ずつ座っていた長テーブルからイスを間引いて片側2人にしたが、今は手作りのビニールの仕切りを立て、交互2人ずつ座っている。「最初は閉塞感があったけど、今はもう慣れました」とNO8丸尾崇真主将(4年)も新しい生活環境に順応している。

ビュッフェでは、トングを持つ手に使い捨ての手袋をはめ、黙って食材をとる。並ぶ際もソーシャルディスタンスを意識(早大ラグビー部提供)

アンケートをとり、食べたいものを

寮生の人数が減った時、「普段は作れない、手を込んだものを作って上げよう」と島さんは選手に食べたいものアンケートをとった。「刺身」「ハンバーガー」「ステーキ」などが上がり、折を見てメニューに加えていった。

その中で、定番になったのは「穴子のひつまぶし風」。ご飯1杯目は、ご飯と刻んだ穴子のひつまぶしを食べ、2杯目は自分の好きなトッピングで、3杯目はお茶漬けにしてと楽しんで食べられるのが大好評だった。

選手に人気で定番となった「穴子のひつまぶし風」(早大ラグビー部提供)

また、ランチに「ハンバーガーフェア」を開催し、バンズや具材を並べて自分で作る形にしたり、ファミリーレストランのメニューを模したものを提供したり、ミニイベントで盛り上げた。

ランチに開催された「ハンバーガーフェア」も好評だった(早大ラグビー部提供)

具材をお好みでチョイスして作ったハンバーガー。バンズを特別に調達。人数が少ないからこそできたメニュー(早大ラグビー部提供)

猛暑で食事量が減りがちだった夏場は、汁物で野菜を摂れるよう豚汁やつみれ汁などを多く出し、ワカメご飯や五目御飯などの味付けご飯で食が進むようにした。試合期に入る今後は「ご飯が進み、食べることが負担にならないよう主菜や副菜を一緒に食べることができ、また水分摂取もできるように具だくさんの汁物を出していきたい」と選手の体調管理を支援する。

開幕戦の前夜は、体にエネルギーを蓄えるため糖質多めのメニューを予定。「今のところ、白玉あずきを考えています」と、体も心もテンションを上げて送り出すつもりだ。

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