毎年新たなグルメブームが起こる米ロサンゼルス(LA)において、今年はヘルシー志向を引き継ぎながらも、ファストフードが脚光を浴びた年でした。2019年にLAで流行した5つのグルメを振り返ります。2020年、日本でもトレンドになるかもしれません。

(1)チキンサンド
今年最も話題になった食べ物と言えば、間違いなく「チキンサンド」です。フライドチキンを甘いブリオッシュで挟んだだけのシンプルなチキンサンドの「元祖」を巡り、2つのチキン専門人気ファストフード店がSNS上で論争。全米の消費者を巻き込んだ「チキン戦争」となり、あまりの過熱ぶりから商品が完売し、殺人事件にまで発展する騒ぎになりました。4カ月経った今でも静まる気配は見えていません。

(2)プロバイオティクス(生きたまま腸に届く善玉菌)
腸内フローラのバランスを整えて、体に良い作用をもたらすという生きた菌が入った食べ物は、自然派食品マーケット大手のホールフーズが昨年発表した2019年のトレンド予想通り、大ヒットしました。ヨーグルトやドリンクだけでなく、キムチやザワークラフトなどの発酵食品、ティーバッグ、チーズに至るまで幅広く商品が販売されました。

(3)カリフラワーライス
米や小麦の代わりとして、カリフラワーをみじん切りにしたカリフラワーライスを使ったピザクラスト(生地)が大ヒット。様々な種類の冷蔵や冷凍のカリフラワーライスやピザクラストが販売され、ビーガン(完全菜食主義者)だけでなく、糖質制限のある人、よりヘルシーな食事を求める人たちに大人気となりました。

(4)カツサンド
大豆など植物性由来のタンパク質から作られたフェイクミート市場が今年も大幅な伸びを見せた一方で、LAやニューヨーク(NY)など都会のグルメマニアで話題になったのが、日本のカツサンド。「Katsu Sando(カツサンド)」という言葉が一般にも浸透し、LAではジュージーな豚カツと千切りキャベツが挟まったカツサンドやメンチカツサンドを求めて行列ができるほどでした。

(5)セロリジュース
LAでは健康のために、オーガニック野菜や果物を使ったジュースを飲むのが当たり前。セロリジュースは、セレブたちがSNSでセロリジュースを手作りする様子を公開したことで人気になりました。コールドプレスジュース専門店では、レモン汁やジンジャーを加えて飲みやすくしたセロリジュースを販売。食物繊維が豊富でミネラルやビタミンも多く含まれていることから肌の調子を整え、デトックス効果があると言われ、あの独特の香りも精神を落ち着かせるとも。 

【ロサンゼルス=千歳香奈子】