ここ数年、日本でも猛暑が続いているが、元メジャーリーガーの長谷川滋利氏(47)が水分補給の大切さを説いた。現役時代、長谷川氏はウオーターボトルを持参し、こまめな摂取を心がけていた。

<長谷川滋利氏インタビュー(4)>

 水分補給には気をつけていて、水は常に飲めるようにしています。自宅では、蛇口をひねれば浄水の良い水が飲めますし、ペットボトルなどを常に用意して、1日2リットル以上は飲んでいると思います。

スタジアムを訪れ、当時エンゼルス所属の松井秀喜氏を激励する長谷川氏(2010年4月5日)
スタジアムを訪れ、当時エンゼルス所属の松井秀喜氏を激励する長谷川氏(2010年4月5日)

 野球をやっているときは、常にポケットに2つボトルを入れていました。特にカリフォルニアは乾燥しているので、気付いたら脱水症状で倒れることがありますから。脱水症状で死亡することもあります。

 昔は水を飲んだらダメというような指導もありましたが、いまだ日本では、夏の暑さを危険に思っていないところがあります。脱水状態の時は一気に水を飲むのは逆に危険です。だから、ちょこちょこ補給することが大切です。のどが渇いたと思った時は、もうすでに脱水症状が出始めていて遅いので、そういう時は球場ならスポーツドリンクをすぐに飲みますね。

試合中はスポーツドリンクを活用

 野手はポケットに水のボトルを入れておくわけにはいかないから、試合中は水よりもスポーツドリンクの方が良いですね。でも、砂糖が入っていますから、普段は水の方が良いです。

 水は、体に吸収されるのに時間がかかるんです。だからペットボトルを30分で1本飲むなら、ちょこちょこと何度も飲む方がいいんです。スポーツ飲料は吸収が早いですが、ずっと取り続けると砂糖過多になりますから、水と混ぜたりもしていました。カフェインなど他の物質も入っている場合もあるので、成分には注意した方がいいです。

アリゾナ州ピオリアでの投手陣キャンプ初日からブルペンで投げ込む長谷川氏(2005年2月17日)
アリゾナ州ピオリアでの投手陣キャンプ初日からブルペンで投げ込む長谷川氏(2005年2月17日)

夜は早めに補給、睡眠の邪魔せず

 寝ている間にトイレに行きたくなるので、夜は寝る時間を考え、早い時間に水分をとるようにしています。朝起きたらしっかり水分補給、それからはずっとこまめに補給、夕方になったら少なくしていきます。食事同様、睡眠もアスリートにとってとても大切です。深い睡眠で8時間。そのためには水分補給のタイミングを計ることも大切です。【千歳香奈子】

長谷川滋利氏インタビュー