前回は鉄の充足率についてお伝えしましたが、今回はテニス選手が1日にどのくらいカルシウムを摂取しているか、10~20代の学生やプロの選手数十人を対象に調べてみました。

日本人の栄養摂取基準(2020年版)によると、1日におけるカルシウムの推奨摂取量は18~29歳の男性では650㎎、18~29歳の女性では600mgですが、テニス選手は練習によって骨の代謝が早く、骨を壊す破骨細胞の働きが進んでしまいます。発汗によるカルシウム損失も考慮すると、1000mgは必要と考えています。

1000mgを100%として充足率を表してみると、男子は85%、女子は115%という結果になりました。男子は一般の方よりも多くとっているものの、テニス選手としてはまだ少なく、女子は選手としても十分に摂取できていることが分かりました。

カルシウムの役割をおさらい

ここでカルシウムの役割をおさらいしてみましょう。

(1)骨や歯の形成=骨折、特に疲労骨折などのケガ予防になります。
(2)筋肉や神経を正常に保つ=筋肉の収縮、神経の興奮を調節します。不足すると神経過敏になり、手足のしびれやけいれんを起こします。また骨密度低下、月経障害にもなります。

吸収率が高いのは乳製品、小魚

カルシウムを多く含む代表的な食材は、乳製品。食品の中で最も吸収率が高いので、毎食や補食でとることをすすめます。小魚も、比較的吸収率の高い食品です。

一方で、ホウレン草などの青菜はあまり吸収率が良くないので、ビタミンDやアミノ酸、ビタミンC、Kなどと一緒にとり、吸収率を上げましょう。

今回紹介するのは「納豆と厚揚げのコラボレーション」です。カルシウムが豊富な大豆製品をダブルで使ったレシピです。

管理栄養士・山口美佐