「長距離走」と聞いて思い出すのは、やはりマラソンではないでしょうか? 陸上競技のうち長距離とカテゴライズされるのは、5000m、1万mといったトラック競技やマラソンや競歩のようなロードレースなどです。

長距離走は短距離走や中距離走と違って、スピード、瞬発力、スピード+持久力よりも、とにかく持久力。そして駆け引きなどの頭脳といったことが重要になってきます。また距離が長い分、自分でレースを展開するチャンスがあるかもしれません。

そこで今回は、陸上競技の中でも長距離選手に必要な栄養について、説明します(参考:しなやかな筋肉、瞬発力やパワーが重要/強くなるための食事・陸上短距離編)。

持久力

長距離走は、一番短い5000mでも20分前後かかる競技です。マラソンは2時間以上、オリンピック種目になっている50キロ競歩は3時間以上かかります。

この距離と時間の中で、最大限のパフォーマンスを発揮するためには、持久力を鍛えること、そして、パフォーマンスを維持する栄養素をしっかりと摂取することが大切です。

<ポイントとなる栄養素(食材)>
 糖質(米、パン、麺類、イモ類)
 ビタミンB1(豚肉、玄米、豆腐)
 鉄(レバー、赤身肉、赤身魚、貝類、ヒジキ、ホウレン草)

頭脳

試合時間が長くなればなるほど、単に早く走ることよりも、試合を作っていくことが勝つ決め手になるかもしれません。他の選手との駆け引きをして、勝負どころを決めていくことも重要でしょう。

<ポイントとなる栄養素(食材)>
 糖質(米、パン、麺類、イモ類)
 カルシウム(乳製品、大豆製品、小魚、海藻類)
 DHA(青魚)

カーボローディング

カーボローディングは、走るためのエネルギー源となるグリコーゲンを筋肉中に最大限に蓄積するための特別な食事法です。特に長距離選手は、試合前にカーボローディングをすることが多く、その際、糖質をメインに摂取することになります。摂取エネルギー量が同じでも、糖質メインとすることで体重が増える場合があります。体重コントロールが重要な長距離選手にとっては、パフォーマンスに影響を与える可能性があるので、事前に食べるもの、摂取タイミング、体重の増減などをチェックすることをおすすめします。

これから冬にかけて、マラソンのシーズンに入ります。完走できる体力と、エネルギーを蓄えましょう。

管理栄養士・新生暁子