イタリアン、と聞いて真っ先に思いつく料理は、やはり「パスタ」と「ピザ」ではないでしょうか。老若男女みんなに食べやすく、味わいのバラエティも豊富で日本でも大人気のイタリアンメニューですね。

 イタリアでは北から南まで、街中に「ピッツェリア」というピザを食べられるお店がたくさん存在しています。焼き立てをお店で食べるレストラン形式のところから、一切れを切り売りしてテイクアウトするところなど、形態はさまざまです(ただし、日本のような宅配形式はなかなかありません)。

 余談ですが、イタリアにはファストフードのお店はほとんどありません。イタリア人にとってのファストフードは「ピッツァ」や、バールと呼ばれるエスプレッソや軽食を出すお店で食べる「パニーノ」というサンドイッチ類。ピザやパニーノが身近にあるために、大手が出店してもなかなか定着しづらいようです。

 さて、イタリアではピザは「ピッツァ」と呼ばれています。ピッツァ発祥の地、と言われているのは南イタリアのナポリ。誕生の歴史はさすがに古く、15~16世紀ごろには似たようなものが作られていたようです。その後、18世紀にイタリアにトマトが入ってきてから、現在のピッツァが出来上がりました。当時は屋台で切り売りをして立ち食いするもので、その手軽さがうけて、その後イタリア全土に広まっていきました。

ナポリ風とローマ風、生地に違い

 全国区で食べられているピッツァですが、生地の厚さなどに地域差があり、大きくは「ナポリ風」と「ローマ風」に分けられます。ナポリ風は、縁が厚めでもちもちした食感。これに対してローマ風は生地が薄めでサクサク、クリスピーなタイプ。どちらもそれぞれの良さがあり、甲乙つけがたいところです。

 バラエティ豊かなトッピングは、「マルゲリータ(トマトソース、モッツァレッラチーズ、バジル)」や「マリナーラ(トマトソース、ニンニク、オレガノ)」の2品が基本。特にナポリ風ピッツァを売る店には、この2品は必ずなくてはなりません。今はトマトソースを使わない、ビアンカ(トマトの赤を使わずに白い見た目になることから、白という意味の言葉で呼ばれています)タイプも人気です。

パン作りデビューにも最適

野菜のピッツァ
野菜のピッツァ

 今回は、家庭でつくるピッツァを紹介します。ピッツァは、パン作りをしてみたい、と思う方にもオススメ。自家製パンは、作るパンの種類によって発酵の見極めが難しいものですが、ピッツァの発酵は1回のみ(2次発酵という最終発酵の工程がいりません)。生地のふくらみ加減も、だいたいこのくらい、というアバウトな感じで見極めても失敗しない、気軽に作れるメニューです。

 これからのお花見シーズンにも持ち運びしやすい、トマトソースやクリームソースを使わないソースレスな野菜をトッピングするだけ。うすーく伸ばすと、より生地がパリパリになります。少し厚めだとパンピザのようにふっくら気味に仕上がりますので、お好みで調整も可能です。

イタリアンお花見ランチボックス
イタリアンお花見ランチボックス

 一緒にお花見に持っていくのに便利なイタリアン惣菜も紹介します。普段のお弁当メニューにもぜひ、取り入れてみて下さい。