「おなかが張る感じがする」「食べるとすぐにおなかがいっぱいになる」「おならが出過ぎる」「おならが臭い」など、おなかの不快感に悩まされている方はいないでしょうか。おなかの痛みまではいかないけれど、「おなかが張って違和感がある、苦しい」といった表現をする方もいます。

小腸で細菌が増殖する病気

もしかしたら、それは「小腸内細菌異常増殖症(SIBO、シーボ)」の症状かもしれません。SIBOは何らかの原因により、小腸にいるはずのない細菌が爆発的に増えてしまっている、または構成されている菌が変化してしまうことからなります。

小腸は栄養を吸収する消化管です。そもそもいるはずのない菌が小腸にいると、菌にビタミンなどの栄養を横取りされてしまい、腸からの栄養素吸収が不足します。栄養を奪った菌がガスを発生させることで腹部膨満感にもつながります。

腹部以外でも違和感や症状が

腹部の違和感以外の関連する症状としては、次のものが挙げられます。

・脳の疲労
・疲労感
・関節痛
・皮膚の問題
など

欧米ではここ10年ほどで有名になりはじめた病気ですが、日本ではまだ認知度が低く、明らかになっていないことも多くあります。小腸の下部や大腸に症状が現れる過敏性腸症候群と診断されていた方の多くが、実はSIBOのケースだったとされる報告もあります。

原因としては様々ありますが、私のクライアントの事例でいうと、緊張が強くて胃腸が動いておらず、胃酸や消化酵素がしっかり出ていない方がSIBOと診断されることが多くあります。リラックスして食べ、胃腸を働かすことがSIBOの症状軽減につながるようです。

FODMAP食で経過観察

また、SIBOの症状がひどい場合には、「FODMAP(フォドマップ)食」が勧められています。FODMAPはオリゴ糖や食物繊維、発酵食品を避ける食事です。これらが、小腸にいる菌のエサになってしまうからです。

おなかの調子がイマイチだからと、良かれと思って「腸活」に役立つヨーグルトや納豆などの発酵食品を毎日食べていたり、サツマイモやリンゴ、豆類など腸に良いイメージのあるものを頻繁に食べたりしていると、逆効果になることもあるのです。毎日の食事で必ず食べているものがあれば、一旦やめてみるなどして、自分の体の調子はどうか、観察してみてください。体に良いと言われている食品でも、体調によって合うときと合わないときがあります。

ハーブの抗菌成分が有効

SIBOの症状に良いものとしては、ショウガ、ミント、オレガノやローズマリーなどのハーブは抗菌成分が含まれており、オススメです。ストレスを長期間引きずったり、薬を長期乱用したりすることがあったら、生活を見直して栄養の摂り方で上手に体を整えていきましょう。

今回紹介するレシピは「ハーブ香るローストポテト」です。ローズマリー、オレガノを使っています。SIBOの場合はニンニクも控えた方が良いと言われていますので、レシピには記載していますが、使わなくても十分おいしく作れます。

ジャガイモは色々な種類のハーブととても相性が良く、ハーブを日々取り入れるのに適した食材です。ぜひお試しください。

管理栄養士・園部裕美