「ビタミン」はどんな食材から摂れる? と聞かれると、「野菜・果物」と答える方が多いと思います。ただ、野菜や果物に含まれているビタミンは、ビタミンのうちの一部でしかありません。主に、βカロテン(ビタミンA)とビタミンCに当たります。

エネルギーを作り出す回路が使われる時に最も重要なビタミンといえば、「ビタミンB群」です。3大栄養素からエネルギーを作り出していく過程を「代謝」と呼び、脂肪燃焼や筋肉増強は代謝が亢進されることで促されます。つまり、アスリートにとって重要な体力をつける、脂肪を燃やす、筋肉をつけるためには、ビタミンB群が必須なのです。

ビタミンB群は8種類、複合的に摂取で効果

ビタミンB群はB1、B2、ナイアシン、パントテン酸、B6、B12、葉酸、ビオチンと8種類あり、複合的に摂取することで、より効果を発揮します。肉・魚・大豆製品・卵など、主にタンパク質源の食材に多く含まれています。葉酸は字のごとく、青菜やブロッコリー、豆苗や枝豆など野菜にも多く含まれています。

口内炎や夏バテに効果のあるビタミン

「口内炎ができたからビタミン不足だ」
「夏バテにならないようにビタミンを摂ろう」
「筋肉をつけるためにはタンパク質とビタミンが必要」

こういった時のビタミンとはビタミンB群のことです。「ビタミン=野菜や果物」と思っていた方は、タンパク質食材をしっかり食べて、ビタミンB群を摂りましょう。サプリメントを利用する際は、単体のものよりも「B群」を選んだ方が良いでしょう。

食材の中ではレバーがおすすめ

食材の中でも、特にレバーはビタミンB群が豊富です。鉄などのミネラルも多く含むレバーですが、どうしても食べられないという方はハツや砂肝、赤身肉、カツオなどの赤身魚もおすすめです。レバーと比べれば栄養価は落ちますが、食べる頻度を増やすことで補えます。「体力を維持したい」「脂肪を燃焼させたい」などの目的があるときは、特に強化すると良いでしょう。

今回紹介するレシピは「砂肝のトマト煮」です。トマトの酸と一緒に摂ることで、ミネラルの吸収も促します。砂肝が柔らかくなればそれほど煮込まなくても食べられますが、長く煮込んだ方がトマトの甘味やうま味が引き出せますし、パスタソースとしても使えます。

ビタミンB群摂取のためにも砂肝料理のレパートリーに加えて、頻度を増やしていきましょう。

管理栄養士・園部裕美