まだまだ紫外線の強い日が続きます。アスリートは「激しい運動+紫外線」によって、活性酸素が発生しやすい状態となります。

筋肉の状態が悪くなりリカバリー妨げる

活性酸素は微量であれば良い作用をもちますが、大量に生産されると、疲労が蓄積したり、免疫機能が低下したり、アスリートにとってデメリットが大きくなります。特に、筋肉トレーニングや短時間に強度の高い運動をする際は、酸素摂取量が安静時の10~15倍となると言われており、組織へ酸素が流れる量も約100倍に達します。中でも筋肉は、急激な血流量の変化により、最も活性酸素の影響を受けやすい組織です。

さらに夏の暑い時期は紫外線にも多く当たるため、皮膚での活性酸素が生成されやすくなるときです。「酸化対策」、つまり「抗酸化」に取り組まないと筋肉の状態が悪くなり、疲労回復を妨げる可能性が出てきます。

ビタミンE、カロテノイド類、ポリフェノール類にも

酸化を防ぐためには、当たり前ですが、日々の食事がとても大切です。抗酸化成分のある栄養素として挙げられるのは、ビタミンE、ビタミンC、カロテノイド類(βカロテンやリコピンなど)、ポリフェノール類(アントシアニンやケルセチンなど)などがあります。

この中でも意識してとりたいのが「ビタミンC」です。ビタミンCは夏野菜にも多く含まれています。

暑いときは、水分が多いフルーツをたっぷり食べたくなりますね。色の濃い野菜をチョイスすれば、同時にβカロテンもとれますので、さらに抗酸化作用が高まります。野菜なら、パプリカ、ピーマン、トマト、モロヘイヤ、豆苗など。果物なら、キウイ、イチゴ、パイナップル、グレープフルーツなどが良いでしょう。ジャガイモやサツマイモなど、イモ類にもビタミンCが多く含まれています。

サプリをとる際は「アスコルビン酸」の表示を

また、炎天下で疲労がたまりそうな練習をしたときには、ビタミンCをサプリメントで摂取するのも有効です。1回に摂る量は500~1000mg、3時間以上6時間以内の間隔をあけてとることが望ましいとされています。サプリメントを選ぶ際は、できるだけ添加物が含まれていない「アスコルビン酸」とだけ表示されているものがお勧めです。夏場、特に屋外でのトレーニングをする選手は、抗酸化成分を含む食品をたっぷりとって、体の酸化を防ぎましょう。

今回紹介するレシピは「キウイのキャロットラベ」です。キウイのビタミンC量は1個80gあたり、黄キウイで112mg、緑キウイで55mgと、果物を食べる1回量で考えると最も多くビタミンCを含んでいます。

ニンジンはご存知の通り、βカロテンが豊富な野菜なので、こちらも抗酸化に役立ちます。酸味を効かせた味付けなので消化を助けます。冷蔵庫3日ほど保存できます。残暑の1品として、どうぞお試しください。

管理栄養士・園部裕美