カレーはカロリーが高いから太りやすい、疲れている時は胃もたれするなどのマイナスイメージがあると思いますが、実は、ケガをしている時や疲れている時にもオススメです。

市販ルウにはデメリットも

ただし、ここで言うカレーとは「ルウを使わないカレー」ということ。市販のルウを使ったものはイメージ通り太りやすく、胃もたれしやすく、ケガを治すどころか炎症を起こしやすいものがたくさん入っています。

例えば、食用油脂にはトランス脂肪酸が含まれますし、脳神経に作用し、中毒性を伴うグルタミン酸ナトリウムも含まれます。これは、ケガや疲れている際は避けたいですね。カレールウのデメリットに関しては、以下のコラムでもお伝えしています。

アスリートにとってプラス効果

そのカレーのスパイスに含まれるターメリック(和名はウコン)の主成分は「クルクミン」。ポリフェノールの一種で、アスリートにとって様々なプラス効果があることが分かっています。炎症や酸化ストレスの減少、筋肉損傷の回復、胆汁の分泌促進による食欲増進といった胃腸機能の改善などで、こういったことからも、カレー(に含まれるクルクミン)はケガや疲労、風邪予防、肝臓や胃腸に良いと言えるのです。

まとめると、クルクミンの働きには、以下のようなメリットがあります。

抗炎症、抗酸化作用→ケガや疲労回復に良い
胆汁の分泌を促す→脂肪や脂溶性ビタミンの吸収促進

感染症が流行している今、抗炎症作用の強い食品を食べることは予防にもなります。胆汁の成分である胆汁酸は骨格筋を増やす働きもあり、アスリートにとっては欠かせない成分になりそうですね。

油脂+黒コショウと一緒に

クルクミン自体は脂溶性ですので、油と一緒に摂取すると吸収率が上がります。また、黒コショウと一緒に摂ることも大切です。黒コショウの成分がクルクミンの効果を促進するからです。

なお、「カレー粉」として売られているものは、スパイスがミックスされていて、ターメリックも黒コショウも含まれているものがほとんど。クルクミンは吸収されにくい成分とも言われているので、カレー粉を利用してもいいでしょう。

今回は、クルクミン(ターメリック)を使ったカレー以外のレシピとして、今回は「カボチャとアボカド、パプリカのサブジ」を紹介します。

スパイスといえば、やはりインド料理。インド料理にはターメリックを使った料理がたくさんありますが、「サブジ」は野菜を炒めたスパイスと一緒に蒸し(炒め)煮する料理です。

使う野菜は、カレー味に合いそうなものなら何でもOKですが、今回は脂溶性ビタミンであるビタミンEを多く含むカボチャとアボカド、そしてビタミンEと一緒にとりたいビタミンCが豊富なパプリカも組み合わせました。

普段は使わないような意外な組み合わせと思われるかもしれませんが、スパイスのおかげで味がまとまります。カレー粉で代用できますが、クミンシードはアクセントになるので、加えて欲しいところ。ぜひお試しください。

管理栄養士・園部裕美