色々な感染症が心配され、花粉症の症状も出てくるこの時期に、とってほしい栄養素はビタミンDです。ビタミンDは免疫力の向上と、アレルギー症状の緩和に役立ちます。

「免疫」とは、細菌やウイルスなどの外敵から体を守るシステムのこと。つまり、「免疫力を上げる」ということは、外敵に対する抵抗力を上げるということになります。感染症にかかりやすい人は、免疫力が低い状態であり、栄養状態が大きく影響しています。

免疫細胞の働きを正常化

免疫細胞の働きを正常化するのが、ビタミンDです。体内に入ってきた外敵に対しての過剰な免疫反応を抑え、必要な免疫機能を促します。

花粉症は、要因の1つに腸の状態が影響すると指摘されています。リーキーガット症候群といって、腸の粘膜の結合が緩み、隙間が大きくなってしまうと、大きいままの栄養素や花粉などが腸から体内(血液中)に侵入し、過剰なアレルギー反応を引き起こします。ビタミンDは、この緩んだ腸粘膜の結合を改善し、花粉症などのアレルギー症状を改善してくれるのです。

ビタミンDの多い食品

食品から得られるビタミンDには2種類あります。

サケ、イワシ、シラス、あん肝などに豊富な動物性のビタミンD3(コレカルシフェロール)
キノコ類や切り干し大根に豊富な植物性のビタミンD2(エルゴカルシフェロール)

動物性のビタミンD3の方が、植物性のビタミンD2に比べて、効率的に吸収されることは分かっています。しかし、植物性のビタミンDを摂る意味がないわけではないので、この時期はどちらも意識して増やしていくことが大切です。

ビタミンDを摂取するには、「魚+キノコ」と覚えておきましょう。どちらも調理する前に日光に当てるだけでビタミンDの量が増えるので、時間があったら少しでも日に当ててから調理すると良いでしょう。

今回は、ビタミンD強化メニューとしてぴったりな「サケとたっぷりキノコのキャベツ蒸し」を紹介します。色々なキノコを組み合わせて、うま味を味わってください。

管理栄養士・園部裕美