まずは腸の機能について、前回のコラムのおさらいです。

腸は必要な栄養を取り込み、不必要なものの侵入を防ぐバリア機能を持っています。バリア機能が壊れていると、本来必要である栄養素を取り込めていない可能性があります。せっかく頑張って食事をとり、サプリメントを摂取しても意味がない、ということになってしまいます。そのため、「腸内環境を整えることは、全身の栄養状態を向上させること」につながります。

アスリートが毎日の練習の質を上げ、本番で最高のパフォーマンスを発揮するためには、全身の栄養状態を向上させることがとても重要です。栄養状態が良いと、疲労に強く、病原菌に感染しにくく、ちょっとした環境の変化にも適用できる選手になっていきます。

形、色、量、回数をチェック

腸の状態を知るには、検査以外ではやはり便の状態を見ることです。

(1)形(軟らかい、硬い)
(2)
(3)
(4)回数

これらを練習日誌などに記録すると良いでしょう。バナナのような形で、黄色く太い便が毎日2回出ることが理想です。

有害なものの頻度や量減らす

腸内環境を整える方法として、まずは腸(腸内細菌)にとって有害なものを取り除く、減らしていくことが挙げられます。特に子どもは腸のバリア機能が未発達なため、アレルギーが出やすいと言われています。便や胃腸の状態を見て、腸のバリア機能を壊しやすいと言われるグルテン、食品添加物、人工甘味料や、サラダ油などに含まれるリノール酸、有害ミネラルなどの摂取頻度や過剰に摂っていないかを確認していきましょう。

次に確認したいのが、消化吸収に必要な消化酵素や胃酸などが十分にあるかどうか。胃酸に関しては、過去の記事を参考にしてください。

乳酸菌やオリゴ糖で栄養を

さらに、腸に必要な栄養を取り入れて、腸内環境を改善していくことも重要になってきます。納豆、甘酒、ザワークラウト、キムチ、ぬか漬け、かつおぶし、お酢などで乳酸菌や酪酸菌自体をとることと、大豆製品やハチミツなどに含まれるオリゴ糖、野菜や海藻・キノコ、雑穀などに含まれる食物繊維をとることで、腸内細菌に栄養を与えます。

次回は、壊れたバリア機能を修復していくための栄養に関してお話しします。

今回紹介するレシピは「ゴーヤーの佃煮」です。ゴーヤーはβカロテンやビタミンCを豊富に含んでおり、疲労回復などに効果が期待できます。βカロテンは油と一緒に摂ると吸収がアップするので、最後にゴマ油での風味付けを忘れずに。ゴーヤーの苦味の成分は、胃酸の分泌を促しますが、この味付けは苦味が苦手なお子さんも、おいしくいただけますよ。

冷凍保存もできますので、大量に作ってストックしておくのもオススメです。そろそろ終わりの夏野菜、栄養豊富なゴーヤーのレパートリーとしてぜひお試しください。

管理栄養士・園部裕美