最近、「水素」が抗酸化に良いと言われていますが、実際のところどうなのでしょうか。

水素は分子量がとても小さいため、細胞内に入り込みやすく、抗酸化能力を発揮するとのことですが、逆に分子量が小さいために水素水にしてしまうと、時間がたつにつれて消失してしまうことがあるといいます。

水素水では濃度が減り、消失することも

平成28年の独立行政法人国民生活センターの調査発表(※)によると、市販で売られているペットボトルやアルミパウチなどの水素水に関して、以下の結果が出たようです。

5銘柄中3銘柄で表示値より測定値の方が低い水素濃度だった
パッケージに表示値の記載のない3銘柄のうち、ペットボトルの2銘柄では水素が検出されなかった

そのほか、
未開封のまま20℃で1カ月保管したところ、全ての銘柄(8銘柄)で水素濃度がやや低下した
開封後に蓋を閉めて放置した場合、5時間後には30~60%に、24時間後には10%程度に低下した

との結果も記載されており、時間がたつにつれて、水素水がただの水になってしまうことが分かります。今のところ、抗酸化のために、市販の水素水を買うことはあまり効率的ではなさそうですね。

また、水素ガスを吸引するという方法も医療レベルで強い抗酸化能力が認められています。体感でも分かるぐらいの疲労回復効果があるようですが、だからといって、気軽に水素を吸いに行ける環境下にない人が多いと思います。

次のページそんな水素は体内でも作り出されている