春の七草にも登場する「セリ」。よく食べる地域(茨城、宮城など)の人以外は、七草以外ではあまりなじみのない野菜かもしれません。秋田では、きりたんぽ鍋には欠かせないようです。旬はこれから2月から3月。お正月で疲れた胃腸を癒すのに適した食材です。

セリは、独特の香り成分があり、その香りには様々な作用があると古くから言われています。漢方では、セリの茎や葉を乾燥させ、生薬として煎じて服用しており、栄養素だけでははかれないパワーが秘められていそうですね。

セリの栄養価をみてみると、βカロテン、ビタミンK、葉酸、食物繊維が多く含まれます。野菜の中では、鉄も多く(100g中1.6mg)、葉酸と合わせて貧血予防にも良いでしょう。

茨城の農業総合センター園芸研究所のデータによると、セリはゆでることで抗酸化性が高くなる傾向がみられるとされています。体を駆使しているアスリートは常に酸化との戦いです。抗酸化力の高い食べ物は、チェックしておきましょう。ただ、栄養価や、抗酸化力は、時期や栽培方法(露地栽培、自生など)によっても変化することが考えられます。なかなか自然のセリを手に入れることは難しいですが、旬の時期に食べることがまず、栄養価や抗酸化力が高い食材を摂り入れることにつながりますので、見かけたらぜひ手に取ってみてくださいね。

今回紹介するのは、材料3つと水で作る「セリの鶏だしみそ汁」です。

セリの根っこと鶏肉からだしが出るので、わざわざだしをとる必要はありません。骨つきの鶏肉(手羽などでも良いが、ぶつ切りがあればなお良い)があれば、使ってみてください。骨からも良いだしが出ます。満足感が出るので、練習終わりの夜遅めの食事にもオススメ。もちろん朝ごはんや夕食の1品にも。とっても簡単です。

管理栄養士・園部裕美