魚は、良質なタンパク質源であることのほかにオメガ3系脂肪酸やビタミンB群を多く含みます。

日本では、魚は比較的手に入りやすく、おいしく食べることができますが、扱いが難しい、レパートリーが少ないといった理由で、なかなか食卓にのぼる機会が少ないというご家庭が多いのではないでしょうか。

アスリートにとって、“油脂の質”は非常に重要です。しかし、日常の摂取量が最も多いのはサラダ油で、オメガ6系の油です。オメガ6系の油はほかに、菓子、市販のドレッシング、コンビニやスーパーの揚げ物、揚げ菓子、植物油脂と書かれた商品など、多くの食品に含まれています。外食の炒め油や揚げ油に使われているのは、ほとんどがサラダ油です。

オメガ6系は炎症を促進する

このオメガ6系は炎症を促進することが分かっています。「炎症が起こる」というのはつまり、

・ケガをしやすく、治りにくい
・病気になりやすく、治りにくい
・疲労が回復しにくい、または日々、疲労が蓄積する
・アレルギーが起こりやすい(起こっている)
・腸の機能が落ちて、食べても栄養をしっかり吸収できない

このような状態だと考えるといいでしょう。

アスリートは常に炎症と隣り合わせ。身体を駆使してトレーニングを行い、「理想の自分」を目指します。より強度や質の高いトレーニングをこなしていくには、強い身体を食事で作っていくことが大切です。

そのために、私は魚を食べることが非常に重要だと考えています。魚の中でも、特に青魚に多く含まれるEPAやDHAといったオメガ3系の油脂は、先述したオメガ6系とは逆で、炎症を抑える働きがあるからです。

身体を作っている細胞膜は、油脂で作られています。全身の細胞膜が炎症を起こしやすいものからできているか、抑えるものからできているかをイメージすれば、どちらが強い身体であるか判断できますね。

継続的に食べて体を変える

魚を食べたらすぐに疲れがとれる、すぐにケガや病気が治る、というわけではもちろんありません。コツコツと取り入れていくことで、1年後、5年後、10年後の身体が違うものになっていくのです。効果の出るのが早い人、すでに症状がある人は、1カ月も意識していれば効果が出てくるかもしれません。花粉症がよくなるなどが、分かりやすい例ですね。

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