体重制限や減量が必要な競技、または減量期のアスリートは、たくさん食べたいけれど、我慢しないといけないという状況があると思います。おなかがいっぱい! という状態はとても幸せな気持ちになるので、人はおなかいっぱいに食べたくなります。

 この「満腹感」はどのようにして起こっているのでしょうか、説明しましょう。

セロトニン

 アミノ酸のトリプトファンから作られる「セロトニン」は、精神面を安定させたり、筋肉や交感神経に適度な緊張を与えたり、睡眠にも良い影響を与えます。満腹中枢を刺激する働きもあり、セロトニンを分泌させる動きや食事をすることで、満腹になったときと同じような気分にさせることができます。

 食事に関しては、トリプトファンが含まれる肉類、魚介類(カツオ、マグロ、アジ、イワシ、イカなど)や大豆製品(納豆、豆乳、ゆで大豆、油揚げなど)、卵。これらをしっかり摂ることが大切です。

 同時にビタミンB6を摂取すると吸収率が上がります。ビタミンB6は、ニンニク、酒粕、マグロ、カツオ、鶏肉、レバー、サケ、アジ、唐辛子などに多く含まれ、トリプトファンと一緒に摂れる食材もあります。唐辛子やニンニクなどを組み合わせて調理すると、効率的ですね。

コレシストキニン

 食べ物を消化するときに小腸から分泌される「コレシストキニン」というホルモンも満腹感を刺激し、食欲を抑制します。しかし、食事量が少なかったり、ノンカロリーのものばかりとっていると分泌されず、満足することができないといいます。

ヒスタミン

 「ヒスチヂン」というアミノ酸から作られる「ヒスタミン」も満腹中枢を刺激します。ヒスチジンの多い食品はカツオ、マグロ、ブリ、サバなどの魚介類。摂取すると脳内でヒスタミンに変わります。ヒスタミンは花粉症などのアレルギー症状を誘発する物質でもありますが、脳の満腹中枢を刺激する働きもします。ヒスタミンを増やすには「よく噛む」ことです。

 以上が、満腹感を味わうためのポイントです。食生活に上手にとりいれましょう。

<満腹感を味わうためのポイント>

トリプトファンを多く含む食品を摂り、セロトニンを増やす
ノンカロリードリンクや生野菜など、カロリーのないものばかりを選ばない
ヒスチヂンを多く含む食品をとり、よく噛んで、ヒスタミンを増やす

トリプトファン、ヒスチヂンを多く含むカツオを使った「カツオのガーリックステーキ」

 今回はトリプトファン、ヒスチヂンを多く含むカツオを使ったレシピ「カツオのガーリックステーキ」を紹介します。ニンニクと唐辛子でビタミンB6をプラス。よく噛んで食べられるように、ぶつ切りにして野菜もつけ、そのほかのビタミン類・ミネラル類もたっぷり含まれています。

 満腹感を得られるだけでなく、快眠や精神の安定などにも役立ちます。ぜひお試しください。

管理栄養士・園部裕美